フリーアナウンサー・町亞聖 高校3年生のときに突然襲って来た「母親の介護」

By -  公開:  更新:

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(6月7日放送)にフリーアナウンサーの町亞聖が出演。10年間続いた母親への介護について語った。

フリーアナウンサー・町亞聖

画像を見る(全3枚) フリーアナウンサー・町亞聖

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。6月7日(月)~11日(金)のゲストはフリーアナウンサーの町亞聖。1日目は「十八歳からの十年介護」について---

黒木)町さんとは以前、厚労省主催の介護のイベントでご一緒させていただきました。そのとき、私は介護のことをまったく知らなかったので、いろいろと教えていただきました。実際、町さんはフリーアナウンサーのお仕事をしながら、お母さまの介護を10年間やられていました。当時を振り返って、どのような生活でいらっしゃいましたか?

町)くも膜下出血という病気でした。母が倒れたとき、私はまだ高校3年生だったのです。私が18歳で、母も40歳という若さでした。どなたも介護は突然だと思うのですけれども、元気な母が急に倒れた形になったので、何が起きているのかわかりませんでした。手術は成功したのですけれども、右半身麻痺と言語障害という重い障害が残り、車椅子の生活になりました。下に弟と妹がいて、まだ15歳と12歳でした。恥ずかしい話、家事の手伝いもしたことがなかったので、介護をしないといけないことと、弟と妹の面倒をみないといけないのとで、無我夢中でした。そのなかで、大学は1浪して入れたのですが、勉強も目一杯な感じでしたね。毎日、「何をつくろうか」と献立表を考えていました。頭はそれで精一杯でしたね。

黒木)大好きなお母さまの為に、ご自分で選んだ職業が女子アナだったという。

町)そうですね。でもまさかなれるとは実は思ってはいませんでした。ただ、介護の実情を伝える仕事をしたいと思っていましたので、アナウンサーがダメでも、一般職で記者とか、ディレクターなどのつくる側、あとは新聞記者などになりたいと思っていました。

黒木)アナウンサーになれなくても。

町)当時は高齢者の介護ではなくて、車椅子の障害者の介護でしたが、当事者の1人になってしまったので、それを伝えることが私の役目であり、母への恩返しでもあり、娘としてやらなくてはいけないと思っていました。アナウンサーはたまたまラッキーでなれたようなものです。そのときの社長にも、「宝くじに当たったみたいなものだよ」という言われ方をしました。

黒木)若くていらっしゃって、介護は大変でしたでしょう。

町)現実を受け入れるまでには、やはり少し時間がかかりました。受け入れてからは早かったです。できないことを数えてしまうと、本当にたくさんあるのですが、「いまできていること何かな」とか、「母が片手でできることはなにかな」ということ、「それを探して行けばいいんだ」ということに気付いたのです。そういう工夫を自分たちでするようになってからは、毎日が「母の日」みたいな感じで過ごせました。母が笑顔でいてくれるから、私も笑顔になれたので、「介護している」という感じも途中からは感じなくなりましたね。

黒木)日常のことと受け止めて、仕事と介護と両立して行かれたということなのですが、それにしても、40歳で倒れられたという、本当に早いというか、悲しい現実でしたね。

町)母がどのようにして、自分に起きたことを受け入れて行ったのか。言語障害があったので、細かい機微みたいなものが聞けませんでした。それでも、倒れる前から、どちらかというと天真爛漫で、何か困ったことがあっても、「大丈夫、大丈夫、仕方ない」と受け止められていた人なので、「想像していた人生とは違ったけれども、悪いものではなかったかな」と思ってくれていたのではないかとは思っています。

フリーアナウンサー・町亞聖

町亞聖(まち・あせい)/ フリーアナウンサー 報道キャスター

■1971年8月3日生まれ。埼玉県さいたま市出身。
■立教大学文学部を卒業後、1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、お天気情報番組、クラシック、ニュースなど様々な番組を担当。
■その後、報道局に活動の場を移し記者、キャスターとして活躍。
■主に厚生労働省担当記者としてがん医療、薬害肝炎、医療事故、不妊治療、臓器移植、難病問題や年金などの社会保障問題など様々なテーマを取材。
■肩書きにとらわれず、「自分で取材し、自分の声で伝える」アナウンサーを目指し、さらに活動の幅を広げるため、2011年6月にフリーへ転身。
■私生活では10年間にわたって母親の介護を続けてきた。その母と父をがんで亡くした経験から、医療を自身の生涯のテーマとして取材活動を続けている。
■ニッポン放送『ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~』ではパーソナリティを務め、うつ病、認知症の専門家と共に役立つ情報を分かり易く伝える。
■著書に『十八歳からの十年介護』。介護や医療がテーマの講演も行われている。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳


Page top