戦略科学者の中川コージ氏が9月7日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。インドの首都ニューデリーで9、10の両日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の直前情報について現地からリポートし、同国のムルムー大統領から出された夕食会の招待状に「インド」に代わり、ヒンディー語の国名「バーラト」が使用されたことについて、「あくまでも国内の政治闘争だ」と解説した。
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※イメージ
インドの首都ニューデリーで9、10の両日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議の夕食会の招待状に「インド」に代わり、ヒンディー語の国名「バーラト」が使用されたことで波紋を呼んでいる。
中川)これについて、現地で一般人やシンクタンクの職員に、どのようなイメージを持っているのかを聞いてみました。すると、インドもバーラトも昔から使われていた国名なので、親和性があるのでどちらでもいいという意見が多かったです。ただ、皆が一様に言うのは、これはあくまでも政治闘争の一環だという印象でした。
インドでは2024年に総選挙が行われます。その総選挙に向け、ヒンズー至上主義を掲げるモディ首相が率いる与党インド人民党(BJP)は、イギリス植民地時代からの脱却を象徴するため、ヒンディー語のバーライトに国名を変更したいとの思惑があります。一方、インドの最大野党である国民会議派を含めた複数の野党は、BJPに対抗するため新たな連合「インド全国開発包括連合(INDIA、インディア)」を結成したばかりです。ですから、バーラトの使用はBJPの選挙目的です。