投資先を中国からインドに一気に「切り替える」ことは難しい 専門家がその理由を語る

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戦略科学者の中川コージが9月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。欧米企業が投資先を中国から切り替えているインドについて解説した。

投資先を中国からインドに一気に「切り替える」ことは難しい 専門家がその理由を語る

中国共産党中央委員会統一戦線工作会議が2022年7月29、30両日、北京で開催。習近平 中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席が出席し、重要演説を行った。(北京=新華社記者/姚大偉)= 配信日: 2022年7月31日 新華社/共同通信イメージズ

欧米企業の投資先、中国からインドなどに切り替え続く

飯田)報道によると、欧米企業が中国からインドなどに投資先を切り替える動きが続いているようです。米テスラにおいては自動車部品をインドから調達する計画があるとも言われています。中川さんはインドに行っていたそうですが、現地では産業のシフト的なものは感じられましたか?

サプライチェーンの変更は一気にできるものではない ~気配を感じると政治的な動きをするので中国から企業が徐々に出ていくというわけにはいかない

中川)インド内でつくることを奨励しているので、「いい」というところもあると思いますが、このニュースに関しては、よくバランスを見なければいけないと思います。

飯田)バランスを見る。

中川)1つに、サプライチェーンは一気に変更できるものではありません。単純な企業の意思決定だけでなく、チャイナマターになると、少しでも大企業が「撤退する」というような気配を感じた場合、彼らは政治的な動きをしてくるところがあります。そういう意味では、出ていくとしても、「徐々に出ていく」というわけにはいかないですし。

飯田)徐々に中国から出ていくというわけにはいかない。

中川)中国以外の国へ一気にシフトするのは、なかなか難しいと思います。それでも経済安全保障の観点から、各地での製造を保ちつつ、チャイナリスクを減らしていくのが大前提ですね。

加工だけはできるがすべてをインドではできない ~輸送することを考えれば「中国がいい」ということになる

飯田)中国と比較すると、インドは「バラ色のフロンティア」というようなイメージで語られますが、それに関しても中川さんはX(旧ツイッター)で警鐘を鳴らしていますよね。

中川)インドの製造業と言っても、第二次産業がそこまで発展しているわけではありません。つくるのはインドでもできますが、その部品がどこから来るのかと言うと、中国だったりするのです。

飯田)中国から。

中川)加工だけはできますが、網羅的なところで、インドが全部できるわけではない。結局は「中国を使っている」ということになり、「やはり輸送を考えたら中国がいい」というような話が出てきてしまうのです。

水が汚いので高度な生産ができず、人や物資、インフラが整っていないインド ~一気に中国からインドへのシフトは難しい

中川)なおかつ、水が汚いので高度な生産ができない。

飯田)半導体など。

中川)電気も安定せず、都市が一部の工業地区に限られ、それ以外の地区では労働者の技術もない。そのように人や物資、インフラなどが、まだまだ整っていないのです。チャイナマターだけではなく、「中国からスイッチできるようなものではない」と受け入れ側のインドも思っています。ですから、「一気にインドへ」となるのは難しいと思います。

商習慣の違いもある ~中国側もインド側も「中国からインドへ」などとは思っていない

飯田)商習慣の違い、あるいは通関にすごく時間が掛かるなど、いろいろなところでぶつかりますか?

中川)企業関係者であれば、中国の人々との騙し合いには慣れてきたと思いますが、インドとの騙し合いにはまだ慣れていません。

飯田)インドとの騙し合いには。

中川)そういう商習慣もあるので、「中国がダメならデカップリングでインドだ」と言うのは簡単ですが、「中国側もインド側もまったくそんな感じではない」というところは認識する必要があると思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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