作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が9月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。秋の臨時国会について解説した。
秋の臨時国会、政府・与党は10月中旬に召集か ~野党は早期召集要求で一致
政府・与党は秋の臨時国会について、早ければ10月中旬にも召集する方向で調整を進めている。一方、立憲民主党や日本維新の会など野党各党は、物価高への対応など国会で議論すべき課題が山積しているとして、臨時国会を速やかに召集するよう求める方針。
飯田)立憲民主党の安住国対委員長は9月27日、自民党の高木国対委員長と会談し、早期召集を申し入れました。
青山)内閣改造で大臣を入れ替えたので、答弁できるように持っていく。特に初入閣の人には準備していただく必要があり、それで召集が遅れているのです。
岸田総理「税収増などを国民に適切に還元する」を国民は「消費減税」と受け止めている ~実際は給料を上げた企業への税額控除
青山)総理があたかも減税するようなことをおっしゃいましたよね。
飯田)経済対策のパッケージ発表のときに。
青山)27日に自由民主党で「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の総会が開かれ、私も出席しました。政府がつくろうとしている経済対策に対し、議連から提案することが目的です。総理は「政府に入ってくる税金の金額が多くなったので、それを国民に還元する」とおっしゃいましたよね。
飯田)そうですね。
青山)それを聞いた国民の方々は当然、「減税のことだろう」と思います。国民を直接助けてくれる消費減税、消費税率の引き下げも含まれるだろうと思うのが当たり前ですし、そう考える方も多いでしょう。
飯田)消費減税であると。
青山)しかし、いまのところ政府の様子だと、給料を上げた企業への税額控除、つまり「給料を上げるために使った分を控除する」というような話で、認識に大きな食い違いがあるのです。
青山議員の提案に「提言案を回収して再考する」とする議連 ~岸田政権や自由民主党の雰囲気では、消費減税が「タブーのようになっている」が違う
青山)しかも秋の臨時国会において「召集したあとに解散するのではないか」ということが、総理の真意としてはかなりバラバラに出ているので、「そのような状態で選挙を行うのですか?」と衆議院議員の方に申し上げました。議連はその場で考え、「提言案をすべて回収して、もう一度考え直す」ということになりました。これが焦点です。
飯田)もう一度考え直す。
青山)私が申し上げたのは、「いまの岸田政権や自由民主党の雰囲気では、消費減税がまるでタブーのようになっているけれど、違いますよ」ということです。
消費税を8%に下げることを考えようとしていた安倍元総理 ~国民の求めや気持ちと食い違っていることを謙虚に考えなければいけない
青山)それは岸田政権になってからのことであって、安倍政権では結局10%まで上げてしまったわけですが、私は安倍さんに電話で「引き下げるべきだ」と話したことがあります。安倍さんは「8%に下げることを具体的に考えよう」という状態にまでなったのですが、別の理由で突然の総理辞任になってしまったのです。
飯田)8%まで下げることを。
青山)例えば、イギリスでは「付加価値税(VAT)」の税率を柔軟に下げています。これは当然のことです。消費税と付加価値税は実質的に似たようなものですが、それがこの特徴です。
飯田)税率を柔軟に下げる。
青山)それをタブーのように扱い、しかも総理は減税するかのようなことを言って、前官房副長官はネット番組で「減税」という言葉まで使っています。
飯田)そうですね。
青山)「これが国民の求めや気持ちと食い違っていることを謙虚に考えなければいけない」と改めて申し上げました。その考えはいまも変わりません。
消費減税して需要喚起すれば逆に税収増となるのだから、財政規律を曲げることにはならない
飯田)メールでご意見もいただいています。ラジオネーム“モウモウモウ”さんから、「消費減税で返すか、経済対策を含めて国民全員に10万円の振り込みで直接返して欲しいです。マイナンバーに紐付けられた口座へ即振り込み、間違って登録されている人のチェックにもなると思います。でも、鈴木財務大臣は財政規律を堅持すると発言していて、この政権は本当に経済対策をやる気があるのかなと思いました」といただいています。
青山)27日の議連でも、私の申したことに賛同される他の議員の方も多くいました。消費税を下げたら逆に税収が増えていく。いま、「少し好調」という企業も出てきていますが、需要を喚起すればそれが増えるのです。「結局は税収増となるのだから財政規律を曲げることにはならない」という意見も出ており、私もその通りだと思います。
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