地方紙が値上げ 「新聞宅配システム」は維持できるのか
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元内閣官房副長官で慶應義塾大学教授の松井孝治が10月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。地方紙の値上げについて解説した。
多くの地方紙が11月から値上げ
飯田)河北新報や千葉日報、京都新聞、山陽新聞など、地方紙が11月から値上げするということです。月額3900円などのラインが出てきています。地方メディアの大切さ、そして経営の難しさが浮き彫りになっています。
新聞の宅配システムをどう維持するのか ~紙や印刷費の高騰も
松井)大変だと思います。用紙代や印刷費が高騰している問題もあるし、宅配システムをどうやって維持するのか。
飯田)新聞販売店からの宅配。
松井)深夜に仕事を始めて、朝早く宅配し、また夕刊も配るというシステム自体が維持できなくなっている。ただ、宅配がなくなってしまうと、おそらく新聞を読む人は一気に減るでしょうね。コンビニや駅のスタンドで新聞を買う人はほとんどいないと思います。
飯田)電車のなかで読んでいる人も少なくなりました。
松井)昔は電車のなかでつり革に掴まりながら、新聞を細かく、細かく折って読む。これが日本のサラリーマンの通勤風景でしたが、現在そんな人はいませんよね。
新聞を取らない若い世代 ~問われる新聞の在り方
松井)宅配率も減っていると思います。若い人たちは新聞を取っていません。
飯田)若い人はそうですね。
松井)お茶の間でお父さんが新聞を読むような姿が失われているなかで、「どういうやり方でニュースを伝えるのか」が新聞業界全体に問われています。紙の文化は残ると思いますが、今回のように値上げして高額になってしまうと、紙の新聞を好きな人が読むような傾向になるでしょう。また、古新聞が溜まるのが嫌だと言う人もいます。
飯田)なるほど。
松井)ちり紙交換も見かけなくなりましたし、システム自体を考え直す必要があると思います。
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