第一生命経済研究所首席エコノミスト、永濱利廣氏が11月8日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。厚生労働省が7日発表した「9月の名目賃金」の平均は27万9304円で1.2%増えたものの、物価の変動を差し引いた「実質賃金」は2.4%マイナスで、18カ月連続のマイナスとなったことを巡り、「基本給を上げる一方で、その分、ボーナスを減らしている企業が結構ある」と解説した。

※イメージ
厚生労働省が7日発表した「9月の名目賃金」の平均は27万9304円で1.2%増えたが、物価の変動を差し引いた「実質賃金」は2.4%マイナスだった。18カ月連続のマイナスとなった。厚労省は「物価の伸びに、賃金上昇が追いついていない」としている。
永濱)今年、30年ぶりの賃上げが実現したというわりには、名目賃金が伸びていません。そこには、カラクリがあります。基本給を上げる一方で、その分、ボーナスを減らしている企業が結構あるんです。
辛坊)なぜ、そんなことをするんですか。
永濱)表面上は賃上げになるからです。
辛坊)表面上の賃上げになると、何か良いことがあるのですか。
永濱)「ドーンと賃上げしました」とアナウンスできます。採用面でもプラスになります。逆に、ここで賃上げしないと、ネガティブに受け取られてしまいます。それで、表面上は賃上げしておきながら、実はその分、ボーナスを減らしているんです。6~9月頃の毎月勤労統計にボーナスが反映されるのですが、結構マイナスになっています。
辛坊)そうなると、これだけ物価高の中、一般的な勤労者はどんどん貧しくなりますね。