経済アナリストの馬渕磨理子が11月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。10月の消費者物価指数について解説した。
10月の消費者物価指数が前年同月比2.9%上昇
飯田)10月の消費者物価指数が11月24日に発表されました。前年同月比2.9%上昇ですが、物価上昇についてどう見たらいいですか?
トリガー条項の発動などでCPIはコントロールできる
馬渕)中身を具体的に見ると、電気代と宿泊費の上昇がありますが、宿泊費についてはインバウンドを含め経済の温度が上がってきているところなので、いいと思います。大きな項目としては電気代と宿泊費だったので、物価が上がっていると言っても、あまり心配しなくていいような内容です。
飯田)心配しなくていい。
馬渕)その意味でも、トリガー条項の発動も含め、最もベースとなる消費を下げてあげることで、消費者物価指数(CPI)は少しコントロールできるのではないかと思います。
2024年は円高傾向になるのでCPIに関して心配することはない
馬渕)エネルギーに関しては、為替が大きく影響してきますが、2024年は少し円高に振れると思います。つまりアメリカが金利を下げていくので、日本は少し金利を上げるかも知れません。日米金利差が縮小されるので、為替は130円台ぐらいの円高になると思います。そうなると輸入コストが少し楽になると思うので、CPIに関してはそこまで心配しなくていいものの、政府としてできるのは、まずガソリン対策だと思います。
飯田)CPIの各項目を見ても、その部分にプラスして食品関連もあります。ただ、これは原材料の輸入や為替が効いてくる部分も大きいですよね?
馬渕)そうですね。原材料や食品の値上げも少しピークアウトしていると言うか、企業側がもう値上げできなくなっているのです。
飯田)企業物価が1%を割るくらいになってきています。
実質賃金がマイナスのなかで可処分所得を引き上げるには減税が最も効果的
馬渕)値段が上がり、その先に賃上げがあるという世界観のなかで、企業側が値上げできなくなっているのは、実質賃金がマイナスだからです。生活者が「これ以上の食品の値上げは苦しい」となり、企業側も値上げを躊躇うような水準まで来ていて、いま少し止まり始めています。いい循環がスタートしているので、止めないようにする必要があるという感じです。
飯田)賃上げは春などのタイミングになってしまうので、「どのように可処分所得を残すか」と考えると、減税してくれたらいちばん楽ですよね。
馬渕)しかも早期に。ここはスピード感を持って進めて欲しいですね。
飯田)所得税の減税なども2024年6月に行われる予定です。
馬渕)もう待てないので、消費減税は難しいかも知れませんが、素早く対応して導入できれば、経済の温度感は高まるのではないかと思います。
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