外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ドバイで開幕したCOP28について解説した。
COP28がドバイで開幕
国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が11月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕した。日本政府は気候変動で途上国が被る「損失と損害(ロス&ダメージ)」に対処する基金設立のため、1000万ドル(約15億円)を拠出すると表明した。
飯田)COP28には岸田総理も出席します。
UAEが国際政治のなかで生き残るために必死に動いている
宮家)気候変動の問題を話す国際会議を、二酸化炭素が出る化石燃料を多く産出するUAEで開くこと自体、皮肉な話ですよね。もちろん「温暖化」には科学的な根拠もあるのでしょう。一気には進まないけれど、いろいろな手を打たなくてはいけないので、会議を開催するのはいいことだと思います。しかし、横から見ていると、ドバイのような国が、もしくはドバイのような街を持つUAEが、「国際政治のなかで生き残るために必死で動いている」という気がするのです。
飯田)国際政治のなかで生き残るために。
宮家)「あなたたちは石油や天然ガスを売っているだけではないか」と言われないように、「しっかりとこういうことも自分たちでやっていますよ」と示す。議長として会議を仕切るということは、リーダーシップが執れるということですから、その意味でも「UAEは政治的に上手く立ち回っている」と感じます。
この議論が上手く進むかどうかはわからない
宮家)「ストックテイキング」という言葉がありますが、COPは過去に27回開かれているわけで、いい意味でも悪い意味でも、これまでみんなが様々なアイデアを出して、いろいろと議論しているのです。でも「これは削減するけれど、廃止はできない」など、いろいろ議論していると、わけがわからなくなってきます。ストックテイキングというのは、そういう議論を「少し整理しよう」というものです。「いま何がどうなっているか」を見極める。そこまで議論が進化してきたのだなと思います。ただし、上手くいくかどうかはわかりません。反対派もいるでしょうからね。
飯田)そうですね。
宮家)ドバイでは「表現の自由がないのではないか」など、欧米メディアは人権問題もいろいろ議論しており、そちらの方も気になります。
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