日銀のマイナス金利解除決定は「時期尚早」 専門家が言及
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元日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が3月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日銀のマイナス金利政策の解除について解説した。
2013年以降の「黒田緩和」をすべてやめることに
飯田)日銀がマイナス金利政策の解除を決定しましたが、率直にどう感じましたか?
片岡)「時期尚早だな」と思いました。経済動向、物価動向を見ても、解除するほどの経済環境にはないのです。また、マイナス金利政策の解除がクローズアップされていますが、実際問題、日銀のステートメントを見ると「2013年以降の黒田緩和をすべてやめたのだな」と思いました。完全にアベノミクスの緩和路線から決別した。あの時期の金融緩和政策が約10年間、しぶとく残りながら景気を刺激し続けてきたわけですが、「いよいよ終わるのだな」とはっきり感じました。
飯田)ETFなどの買い入れもやめてしまうし。
片岡)もちろん、すぐにではないけれど、買い入れを停止する。株価に関しては現状の経済状況が悪くないので、ほとんど導入しているわけではないのですが、改めて「やめる」という方針になった。CPや社債の買い入れについても今後、1年後をめどに徐々に縮小させるという話なので、やはり完全に手仕舞いモードなのだと思います。
YCCも撤廃
片岡)また、YCC(長短金利操作)も撤廃すると言われています。10年債の利回りは現在、1%くらいが上限だと見なされていますが、実はそうでもないのです。
飯田)別に日銀としては、明確に言っているわけではないですものね。
片岡)ただ、「前回の会合以降と同じくらいの国債の買い入れ額を維持する」と言っているので、その辺りに落ち着くかも知れないとは思います。ただ、日銀の国債買い入れのスケジュールを見ると着実に減っているので、やはり厳しいですかね。
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