政策アナリストの石川和男が6月8日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。5月15日に政府が示した「女性版 骨太の方針2024」の骨子(たたき台)をもとに、女性の健康問題の理解の必要性について専門家と議論した。
政府は5月15日、有識者らでつくる男女共同参画会議の専門調査会を開き、女性の所得向上や仕事と育児、介護の両立支援などを一層推進することを重点目標とした「女性版 骨太の方針2024」の骨子(たたき台)を示した。企業における女性活躍の一層の推進や、仕事と健康課題の両立支援などが盛り込まれている。
この方針の必要性について、ゲスト出演した前衆議院議員で薬剤師のとかしきなおみ氏は「女性政策を頑張っているというが、各省庁バラバラに取り組んでいて、横の連携ができていない。横串をしっかり刺すような形の方針を決めて、各省庁が取り組めるようにする必要がある」と述べた。さらに、「女性が活躍しようと思ったときに、一番ベースとなる部分は健康だ」として、「女性が健康を維持していくうえで、いろんなことをもう少し配慮してあげないと、男性と女性とで健康に対する状況がだいぶ違う」と指摘。具体的には、「女性はホルモンのバランスが年齢によってどんどん変わってくる。生理や出産、不妊治療をされる方もいる。その後は更年期障害、さらに歳を重ねていくと女性特有のがんや骨粗鬆症などいろんな形の病が出てくる。それに合わせて、対応してあげることが大切」と訴えた。
一方で「ほとんどの女性は我慢してしまって、誰にも相談しないでいるという人が多いということが最近わかってきた」との調査結果を示し、「政策的に女性の健康問題をきちっとサポートしてあげること、情報共有をきちっとしてあげることが重要。(女性特有の健康問題に関して)女性もよく知らないし、女性を囲む男性も理解していない」と、現状を明かした。そのうえで「女性が活躍していこうというときに、健康面に関して世の中、社会全体が配慮してあげるという体制を作っていかないと『女性が活躍してください』と言うだけでは足りない」と指摘した。
また、自身の実体験を語り「例えば私くらいの年代の人たち、キャリアを積み重ねた人たちは、生理痛があっても少し体調が悪くても、我慢して無理やり会社に行って仕事をしてきた。自分たちが我慢してきたから、新しく若い子たちが入ってきたときに『私は生理痛とか我慢してやってきたのに、どうしてあなたは休暇とか要求するのか理解できない』となってしまう人もいて、女性が女性のことを理解してあげられなくなっちゃうことがある」と明かし、女性同士の理解増進も訴えた。
番組情報
政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
日ごろ、テレビや新聞などで報じられることが少ない専門家ならではの視点やデータを駆使して、歪んだ情報を正し、あなたのリテラシー向上をお手伝いします。
※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』