北海道では大晦日から「おせち」!その理由は?
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日本に古くから伝わる「人の一生」にまつわる風習「冠婚葬祭」は、誰もが一度は通る、無くてはならない「人生の道標」のようなものです。「明日はもっといい日になる」(「上柳昌彦 あさぼらけ」内、毎週水曜日・午前4時40分ごろ放送)では、全国の聴取者の方からのおたよりをご紹介しながら冠婚葬祭の大切さをお伝えしています。

おせち料理の例~神戸を拠点に駅弁を製造する淡路屋のおせち料理
(北海道美唄市にお住まいの方)
我が家では12月31日におせち料理を食べ始めます。そして除夜の鐘を聞きながら、今度は年越しそばも食べて寝ます。お腹パンパンになります。
北海道では、大晦日からおせち料理を食べ始めるお宅が多いようです。これは旧暦の「年とり膳」に由来すると云われていて、昔は日暮れが1日の始まりだったことから、「大晦日の夕方=1年の始まり」となって、1年の始まりにご馳走を食べる伝統が、今も残っていると考えられるそうです。(参考:農林水産省ホームページほか)
(静岡県富士宮市・モウモウモウさん)
「どんど焼き」(地域によって名称に違いあり)も冠婚葬祭の一つでしょうか。正月飾りや門松を1月14日の夕方などに燃やす行事ですが、ご当地では米粉で作ったカラフルな繭玉(まゆだま)を焼いて食べるのが一般的です。ただ、富士宮の朝霧高原では、長野県の下伊那地方(泰阜村・阿南町周辺)から開拓に入った家庭が多いため、南信州の習慣で角餅を割った竹にはさんで焼いていますよ。
「どんど焼き」は、地域の田んぼや川原などで行う所が多いですね。しめ飾りや門松といった縁起物を焼いてその煙と炎と共に天に返していくことで、一年の無病息災を祈るといったいわれがあるようです。ただ、昔は何でも燃やしていましたが、最近は焼く前にプラスチックを分けるなど、環境に配慮することも多いようです。

上柳昌彦アナウンサー
大掃除も冠婚葬祭の「祭」に由来、早めの準備でいい年を!
12月に入って、スーパーなどのお店にも「正月飾り」が並んでいるところが増えてきました。正月や法事、お盆などの先祖を祀る行事も立派な「冠婚葬祭」の「祭(さい)」に当たります。そもそも、「祭(まつり)」という言葉は、この先祖を「祀る」が語源だというんですね。
正月は、新しい年を迎え、1年の幸せをもたらすと考えられている「年神様(としがみさま)」を迎える行事です。それぞれの家に、気持ちよく神様に来てもらえるように、昔から日本の各家庭では、年末のうちにしっかりと準備をしていました。その始まりが、12月13日の「正月事始め」です。正月事始めは、新年の準備を始める日として、最初に「すす払い」を行いました。昔は囲炉裏やかまどのお宅も多くて、「すすを掃う」のが“大掃除”だったというわけですね。続いて行ったのが、「松迎え」。年神様に目印にしてもらうために、「門松」を家の玄関に飾る儀式でした。こちらも、最近はクリスマスなどもあるため、門松は12月26日ごろから飾ることが多くなりました。
今では「すす払い」や「松迎え」を儀式として行うお宅は少ないと思いますが、まずは、「年末の大掃除」の計画を立てるところから始めてみてはいかがでしょうか。

年末恒例、道後温泉本館・大掃除の風景
「あなたのまちの冠婚葬祭・ある?ある!話」を教えて下さい!
「明日はもっといい日になる」では、聴取者の方の「あなたのまちの冠婚葬祭・ある?ある!話」をご紹介しています。全国の冠婚葬祭にまつわるご当地ルール、冠婚葬祭の行事でのハプニング、マナーなどの質問でも構いません。冠婚葬祭を体験して「よかったなぁ」と思うこと、今では笑って話せるエピソードなどを添えていただけると有難いです。受付メールアドレスは ue@1242.com 。(※メールの件名は「冠婚葬祭」)
この年末年始、家族や地域とのつながりを考えながら、改めて冠婚葬祭の大切さを再認識してみましょう。
【番組概要】
■番組タイトル『上柳昌彦 あさぼらけ』
■コーナータイトル:全日本冠婚葬祭互助協会 プレゼンツ 明日はもっといい日になる
■放送日時:毎週水曜 4時40分ごろ



