あなたは中日の田島慎二投手をご存じですか?
3月29日の開幕戦から5月21日の巨人戦までで、開幕27試合連続登板無失点のプロ野球新記録を達成しました。
防御率0.00。投手なら夢の数字で、もちろん記録は続行中。
次なるターゲットは2006年阪神・藤川がマークした38試合の日本記録の更新です。
田島は愛知県名古屋市出身で、野球を始めたのは小学4年でした。
以来、肩が強く中部大第一高1年まで一貫してポジションはキャッチャー。
転機が訪れたのは高校2年の秋です。
これといったピッチャーが見当たらず、投手転向指令を受けました。
東海学園大では2年からなんとエースに。
さらにわずか1シーズンですが、1部リーグ昇格を果たしたものの、それ以外は2部でした。
ということで、際立った選手というほどではなし。
ところが、2011年のドラフトで中日から3位指名を受けました。
いくら地元といっても、いわゆる囲い込みはありません。
何しろ、大学卒業後は、一般企業に入社が内定していたほどですから、万が一の期待はあったもののドラフト当日はまさにサプライズ!
指名会見では、あまりのうれしさから大泣きをして、ドラゴンズファンの共感を呼び、号泣投手としてルーキーの時代から人気がありました。
1年目から期待に応え、素晴らしい中継ぎとなり、56試合に登板して5勝3敗、30ホールドで、防御率が1.15は立派の一語。
補充選手とはいえ、オールスターへも出場しましたが、2年目~3年目のジンクスまでルーキー時の勢いは感じられず、コントロールが悪い。
もう見ていられないと、森ヘッドコーチがフォーム改造に乗り出し、サイドスローへ転向したところ、2015年から防御率が2.28と良くなり、手ごたえを感じながら、今シーズンを迎え、無失点記録が続き一躍、時の人に。
27試合25回3分の2を投げ2勝1セーブで、21日はセットアッパーからクロ―ザーに。
無失点の要因を聞かれ、「自分でも、さっぱり、わからない。」と笑っていたのは、心の底からそう感じていたからとのこと。
ある担当記者によると「ドラゴンズの選手は名古屋では特別扱い。だから、勘違いをしている選手が結構いる。でも、田島は神対応の代表格です。」と言われる。
そんな田島も2014年7月4日の巨人戦で、1イニング3連続デッドボールという日本タイ記録をつくりました。
わざとぶつけたわけではありませんが申し訳なさそうに、「ぼくの名前など、残っていいものでしょうか。」と言う腰の低さ。
普段はそんなに目立たない選手が大活躍するのは、どこか清々しいものです。
今夜の中日は横浜DeNA戦、さて、田島の登板はあるのでしょうか?
(原文)青木政司
5月25日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」