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世の中には辞書好き、事典好きという人がいるようですが、今日は思わず中をのぞき見したくなる事典をご紹介いたします。それは「てにをは事典」です。
これは一つ上の文章表現を目指す、書く人のための事典、言葉を味わう人の事典と言われ、載っているのは言葉の意味ではなく、言葉に結び付く数々の表現です。
例えば、「愛」と言う言葉、「愛が」に結び付く言葉は「生まれる」「枯れる」「胸を射る」など。「愛を」に結び付くのは「抱く」「失う」「歌いあげる」「描く」など。「愛に」に結び付くのは「生きる」「溺れる」「国境はない」「すがる」など。
愛の項目だけでも187例が載っています。こういった助詞で結び付いた言葉はこの事典では結合語と呼ばれ、掲載されている数は60万語と膨大。それらは250名の作家たちが小説や評論などで使った結合語で「てにをは事典」を手掛けた小内一さんが20年かけて集めたのだそうです。
<本仮屋さんの感想>
少し前に三浦しおんさんの『舟を編む』という本が売れて映画化もされましたが、言葉の海をまさしく泳ぐような感覚になりました。
素敵な事典ですねえ。「てにをは事典」、発売は2010年。去年の夏には第2弾といえる「てにをは連想表現辞典」が発売になっています。
この厚みと薄い紙、いいですねえ。辞書引くの下手だったけど、ぺらぺらとページを繰る感じ、なんともワクワクしますね。
今。BSで「あらすじ名作劇場」という名作をあらすじからどんな名作だったのかを紹介する番組をやっているので、名作に触れる機会が多いのですよ。
そうすると名作に載っている日本語のなんと素敵なことか。なんと率直で穏やかなことか…。癒されるんですよね。
この穏やかな日本ののどかな時間が伝わってくる…。そんな言葉って大事にしないといけないですね。
「てにをは事典」じっくりと読んでみたいです。おすすめです。
(2016/6/15 放送分より)
『太田胃散プレゼンツ 本仮屋ユイカ 笑顔のココロエ』
毎週月曜~金曜 ニッポン放送15:36~ ABCラジオ14:54~