ついにあの名曲が「駅弁」に!~大分駅「なごり雪」(1,296円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

By -  公開:  更新:

bl160726-1(w680)

日豊本線と久大本線、豊肥本線が接続するJR大分駅。
大分駅では博多からの特急「ソニック」と、宮崎からの特急「にちりん」が接続しています。
時間帯によっては「ソニック」の883・885系電車と「にちりん」の787系電車が顔を合わせることも。
これに久大本線の「ゆふ、ゆふいんの森」、豊肥本線の「九州横断特急」が加わって、JR九州の在来線特急が数多く見られます。
近年、駅ビルの「JRおおいたシティ」には「天然温泉(52.2℃、ph8.0のナトリウムー炭酸水素塩泉)」も出来て「おんせん県」の玄関にふさわしい駅となりました。

bl160726-2(w680)

そんな大分駅から宮崎方面へ向かう特急「にちりん」でぜひ食べたい駅弁が去年出来ました。
大分駅弁「寿し由」が平成27(2015)年10月に発売を開始した「なごり雪」(1,296円)です。
「なごり雪」といえば大分出身の伊勢正三さんが作詞・作曲、ニッポン放送でもおなじみイルカさんが唄って大ヒットした曲。
平成14(2002)年には、この歌の世界観をモチーフに大林宣彦監督が「なごり雪」という映画を作りました。
そして今度は、映画の舞台となった大分・臼杵(うすき)の食材をメインに使った「なごり雪」という駅弁に・・・。
”あの名曲”がついに「駅弁」にまでなったと言ってもいいかもしれません。

bl160726-3(w680)

花が咲く中、雪がチラチラ舞う雰囲気のいい掛け紙を外すと「さわら」の西京焼きが載ったちらし寿司が登場しました。
「魚」に「春」と書いて「鰆(さわら)」・・・まさに「なごり雪」の世界観ならではの魚です。
西京焼きならではの香ばしい匂いも漂い「鰆」は脂が乗ってツヤツヤ、彩りも華やかで食欲がそそられます。
「鰆」は幕の内系季節駅弁で使われることの多い食材ですが、メインをガツンと張っているのは珍しいかも。
なお、掛け紙の「なごり雪」の文字は、臼杵に江戸時代からある三重塔で有名な「龍原寺」の住職さんが揮毫したものです。

bl160726-4(w680)

同封の栞によれば臼杵沖で獲れる「鰆」は味・鮮度など西京焼きには最高の状態なのだそう。
また臼杵は九州を代表する醤油・味噌メーカー「フンドーキン醤油」「フジジン醤油」がある街。
さらに市内には、清酒「一の井手」などを作っている「久家本店」という酒蔵もあります。
「鰆」はこれらの西京味噌・臼杵味噌に「一の井手」を加えた床に2日間漬けて焼いたものが使われています。
まさに臼杵最強の「西京焼き」と言ってイイかもしれませんね。

bl160726-5(w680)

特急「にちりん」では、JR九州最初の特急車両・783系電車もまだまだ健在。
「にちりん」は臼杵に停まるのはもちろん、伊勢正三さんの故郷・津久見駅では列車の発着時、ホームに「なごり雪」のメロディが流れています。
だからこそ、宮崎方面行きの特急「にちりん」で食べていただきたい駅弁なのです。
耳にすれば必ず”汽車のシーン”が思い浮かぶ唄の「なごり雪」。
大分駅弁の「なごり雪」も、唄同様ずっと受け継がれる駅弁になってほしいものです。

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

【ごあいさつ】
はじめまして、放送作家の望月崇史(もちづき・たかふみ)と申します。
ニッポン放送には、昔の有楽町の社屋の頃から、かれこれ20年お世話になっています。
最近では、月~木・深夜24時からの「ミュ~コミ+プラス」で放送された、
ルートハンター」のコーナーに、5年ほど出演させていただきました。

そんな私がライフワークとしているのが「駅弁」の食べ歩き。
1年間に食べる「駅弁」の数は多い年でのべ500個。
通算でも4500個を超えているものと思います。
きっかけとなったのも、実はニッポン放送の番組。
2002年~05年に放送された「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の
番組ウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載することになり、
本格的に「全国の駅弁をひたすら食べまくる生活」に入りました。
以来、私自身のサイトや、近年は「ライター望月の駅弁いい気分」というブログで
「1日1駅弁」を基本に「駅弁」の紹介を続けています。
”駅弁生活15年目”、縁あってニッポン放送のサイトで連載させていただくことになりました。
3つの原則で「駅弁」の紹介をしていきたいと思います。

①1日1駅弁
②駅弁は現地購入
③駅弁のある「旅」も紹介

「1日1駅弁」ですので、日によって情報の濃淡はありますが、
出来るだけ旬の駅弁と鉄道旅の魅力をアップしていきますので、
ゆるりとお付き合い下さい。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top