さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を掘り起こします。
“時間の奇跡”に涙する、異色のラブストーリー
京都の美大に通う20歳の南山高寿はある日、通学途中に福寿愛美という女性に出会い、心を奪われてしまう。
勇気を出して声をかけ、会う約束を取りつけようとする高寿だったが、愛美は何故か泣き出してしまう。
その理由を尋ねることが出来ずにいた高寿だったが、二人の交際は周囲からもうらやましがられるほど順調に進み、幸せな日々を過ごすことに。
しかし愛美から思いも寄らない秘密を打ち明けられ…。
「泣けるラブストーリー」として話題になり、累計110万部を突破の同名ベストセラー小説を完全実写化。
青春映画…というと高校生が主人公のものが多いなか、本作は20歳の大学生の恋愛を瑞々しく描き、新鮮な輝きを放っています。
運命の相手と出会い恋に落ちる美大生・高寿役に福士蒼汰、高寿から一目惚れされる謎めいたヒロイン・愛美役に小松菜奈と、フレッシュな顔合わせが実現。
メガホンを取ったのは、『アオハライド』『ホットロード』『僕等がいた 前篇/後篇』など、数々の青春ラブストーリーを生み出してきた三木孝浩監督。
せつない運命を背負った男女の恋模様を心情豊かに描いています。
爽やかで美しい物語であることは言わずもがな、舞台となる京都の風景の美しさも特筆もの。
原作にも登場する宝ケ池や京都市動物園、京都らしい風情を見せる柳小路や三条大橋。
原作小説に忠実に京都を中心に撮影されたので、ファンにとっても胸が高鳴る名シーンが満載です。
映画を見て、この年末年始の休暇を利用して、ロケ地を訪れてみるのもいいですね。
若者向けの青春ストーリーのようで、実はSF的要素が満載のファンタジー作品である本作。
愛美は高寿に出会った瞬間、何故涙を流したのか。
そして、愛美が抱える衝撃の秘密とは…。
これこそが、本作のタイトルに隠された最大のトリックなんです!
コトの顛末をすべて理解したうえで、もう一度本作を見直すと、より味わい深いものがこみ上げてます。
二度観、三度観するとさらに号泣必至、スパイラル効果のあるラブストーリーです。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
2016年12月17日から全国東宝系にてロードショー
監督:三木孝浩
原作:七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(宝島社)
出演:福士蒼汰、小松菜奈、山田裕貴、清原果耶、東出昌大、大鷹明良、宮崎美子 ほか
©2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会
公式サイト http://www.bokuasu-movie.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/