大阪と和歌山を結ぶJR阪和線(はんわせん)。
大正15(1926)年設立の阪和電気鉄道が前身で、昭和5(1930)年に天王寺~東和歌山(現・和歌山)間が全通しました。
戦時中は南海電鉄の路線だったこともありましたが、最終的に国に買収され国鉄線になりました。
現在、特急「くろしお」と並んで地域の足となっているのは「紀州路快速」。
日根野(ひねの)以北で、関西国際空港発着の「関空快速」と併結し、大阪環状線に直通して大阪駅まで乗り換えなしで結びます。
参考:和歌山県ホームページ
和歌山から来ると、阪和線の終点は天王寺駅。
紀州からやって来た真田信繁(幸村)終焉の地も「天王寺」です。
そんな天王寺駅からほど近いのが「天王寺公園」。
大坂冬の陣では徳川家康が、夏の陣では真田信繁(幸村)が陣を敷いた「茶臼山」があります。
“山”と呼ばれていますが、元々は前方後円墳があった可能性も指摘されています。
参考:大阪府ホームページ
茶臼山の北側、国道25号沿いに見えるのが「安居神社」。
信繁(幸村)は夏の陣で家康の本陣を急襲したものの、この地でついに戦死したと云われます。
望月を名乗る者としても「同じルーツ」を持つ真田家ということで、久しぶりに1年を通じて大河ドラマを観ることになりました。
ましてや信繁(幸村)と一緒に戦って討死した望月氏の母子が、同族を頼って私の先祖の家がある集落に身を隠したと記述する文献も・・・。
今からおよそ400年前、もしかしたら私の先祖に当たる人物も、この地で信繁と共に散っていったのではないか・・・と思うだけでも、歴史のロマンがかき立てられるものです。
信繁(幸村)が紀州・九度山から大坂城へ入城するにあたって、真田丸では「きり」ちゃんが大事な役割を担いました。
和歌山から旅立つにあたって、和歌山水了軒の駅弁では「きいちゃん弁当」(900円)がしっかりお腹を膨れさせてくれます。
「きいちゃん」とは、去年(2015年)の「紀の国わかやま国体」の盛り上げキャラクターとして誕生した紀州犬をモチーフにしたマスコット。
駅弁の「きいちゃん弁当」も、これに合わせて登場しました。
現在「きいちゃん」は、和歌山県のPRキャラクターとなっています。
掛け紙では「きいちゃん」が、和歌山の各市町村をイメージした“コスプレ”を披露しています。
【お品書き】
ご飯(かつお節、鮭)
焼魚(鰆)
玉子焼き
太刀魚の天ぷら
焼き鳥
蒲鉾
煮物(高野豆腐、人参、ほうれん草、しめじ)
酢の物(鯛、高菜)
梅干し
温州みかん
販売継続に当たって、若干リニューアル。
焼き魚、玉子焼き、蒲鉾の“三種の神器”が入った正統派の幕の内に。
ご飯はきいちゃんの「肉球」をイメージした可愛らしいものになりました。
包装などの見た目はユルそうですが、開けてみると実はしっかり者。
和歌山からの旅にどこまでも寄り添ってくれる「きいちゃん」です。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/