さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、『ピートと不思議な友達』を掘り起こします。
世代を超えて楽しめる、永遠不変のストーリー
この時期になると、年末年始の話題作が一気に公開となります。
今年はエンターテインメント超大作に限らず、アート系作品も粒ぞろい。
その中で、ファミリー向け映画として外せないのが、今回ご紹介する『ピートと不思議な友達』。
『ロード・オブ・ザ・リング』でその名を不動のものにしたWETAが視覚効果を担当し、おとぎ話のような世界観を鮮やかに映像化しました。
深い森の奥で迷子になってしまった少年ピートは、全身緑色の毛に覆われた不思議な生き物に出会い、3つの約束を交わす。
それは「名前をつけてあげること」「不思議な力を隠すこと」「絶対に守り抜くこと」。
ピートはその生き物をエリオットと名付け、家族のように森で一緒に暮らすようになる。
エリオットとの生活は毎日がワクワクドキドキ、冒険の連続。
しかしその6年後、ひょんなことからピートは森の中でパークレンジャーのグレイスに身柄を保護されることに。
そしてまたエリオットも人間たちに姿を見られてしまい…。
少年と深い森の奥深くに住む不思議な生き物との奇跡の友情を描いた『ピートと不思議な友達』。
本作が“子ども向けファンタジー”ではなく、大人の鑑賞にも耐えうる作品にレベルアップさせているのが、キャストたちの演技。
ピート役には数万人のオーディションから選ばれたオークス・フェグリー。
ピートとエリオットを見守る父娘、ミーチャムにロバート・レッドフォード、グレースにブライス・ダラス・ハワードと名優がしっかりと脇を固め、絆のドラマが紡がれていきます。
また孤独な少年と不思議な生き物との交流を軸にしながら、同時に自然破壊への警鐘を鳴らすという側面を持ち合わせているのも、本作の大きな見どころ。
ロケ地となったニュージーランドの広大な自然の素晴らしさに、映画のストーリーを越えた感動と、地球の本来あるべき姿を守っていかなければならない人間の使命を感じずにはいられません。
同じ映画を観ながら、世代ごとに受け取るメッセージが少しずつ違うのも、ファミリー映画ならではの楽しみ方ですね。
ピートと不思議な友達
2016年12月23日から全国ロードショー
監督:デヴィッド・ロウリー
出演:ブライス・ダラス・ハワード、オークス・フェグリー、ウェス・ベントリー、カール・アーバン、ウーナ・ローレンス、ロバート・レッドフォード ほか
©2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト http://www.disney.co.jp/movie/pete.html
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/