東十両3枚目の宇良、面白い相撲をとります。2日目の豊響戦では、俵に足がかかり、膝が折れそうなところから持ち直して、最後は首ひねりという珍しい技を披露しました。
技のデパートの異名を存分に発揮し、昨年、名古屋場所以来の5連勝。連日、十両の取組でファンのお目当てとなっています。
デビュー以来、勝敗にかかわらず、マスコミ対応の素晴らしさも人気を支える秘密で、昨日も、
「千秋楽の結果が大事です」
と、少しも浮ついたところがありません。
関西学院大相撲部創部125年で、初のプロ力士。4歳から相撲を始めたのは、自らが希望したからです。両親も毎場所、春場所へは観戦に連れていくなどたくさんのサポートを行いました。加えて、自身の意志ではじめたこの相撲、「つらい」、「疲れた」という言葉は、宇良家では禁句。やり抜くということを徹底させました。
アクロバット相撲の基礎となったのは小学3年から並行して習ったレスリングのおかげ。二兎を追ったわけです。本来は体が小さく、階級別のレスリングへウエートを置いていたものの、高校からは相撲に。ところが、体重が増えない。大学2年までは64キロでした。
肉体改造を決意し、実践したのが大学3年。毎日、5合半の白米を食べ。タマゴ、スパムは増量に欠かせないおかずでした。宇良は大学時代、いつも両方のポケットへ1合もある巨大おにぎりをしのばせていました。現在の体形は、173センチ・128キロ。4年間で2倍の体重になったのは努力の賜物です。
勝負の世界に学歴は関係なし。でも、関取になる確率が高いのは圧倒的に大学をステップにして、プロになったケース。216人の内、116人が関取になっています。そうはいっても、大学卒の学士力士で、横綱へ昇進したのは輪島だけ。頂点を極めるためには、それなりの下積みが必要なのです。
堅実派でもある宇良、プロになると決めた時も、「2年で関取」という目標を掲げた。大学も中退ではなく卒業。小学校、幼稚園の教員免許も取得しています。
今場所、10勝以上なら、故郷の大阪での春場所は新入幕が有望。まさに、自身がいう「千秋楽の結果が大事」です。
1月13日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」