私達が履いている『スリッパ』は実は“日本ならではのもの”【鈴木杏樹のいってらっしゃい】

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今週は『スリッパ』のお話をしています。
今朝は『スリッパの歴史』についてです。

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江戸時代の終わり頃、ドイツのお医者さん、シーボルトさんが日本に来られた時、スリッパを伝えたとされています。それを福沢諭吉さんが『スリップス』という名前で紹介したそうです。
この時、紹介したのは現在のような『スリッパ』とは違って、足全体がスポッと収まる、シューズタイプのものでした。

そうなると現在、私達が履いているスリッパは、いつ頃に登場したのかと言いますと、実は“日本ならではのもの”だそうです。
江戸時代の終わりから明治時代にかけて、たくさんの外国人の方が日本にやって来ました。ところが当時は今のような、西洋式のホテルというものがありません。
そこで、畳敷きの宿に泊まることになりましたが、ここで1つ大きな問題が起こりました。
それは外国の方々は“靴を脱いで部屋の中に上がる”という習慣がありませんので、靴のまま座敷に上がろうとしました。

当然、宿の方は“靴を脱いでお上がり下さい”と言いますが、その理由が外国の方には理解出来なくて、“靴を脱ぐ・脱がない”でトラブルが起きていたそうです。

そこで考え出されたのが“外国人向けのスリッパ”です。
徳野利三郎(とくの・りさぶろう)さんという、仕立て職人の方がいろいろ考えた結果、出来たのが“靴の上から履くことが出来る履物”いわゆる“靴のカバー”としての『スリッパ』だったそうです。

その後、時代と共に形や素材が変化していって、現在のような日本人に一番合ったスリッパが誕生したそうです。

(2017/1/10放送分より)

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