ウェアラブル端末合戦 繊維各社の“着る端末”が主流へ!【ひでたけのやじうま好奇心】

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3年ほど前からよく聞くようになった言葉「ウェアラブル端末」。
パソコンやスマートフォンなど単に持ち運べるコンピュータとは異なって、ウェア=身に付ける、ラブル=出来るという、体に身に付けて持ち運べる、情報端末の総称です。
ウェアラブル端末は、ウェアラブルコンピュータとかウェアラブルデバイス、と呼ばれることもあります。

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TOKYO, JAPAN - APRIL 24: The new Apple Watch is seen on display at a store on April 24, 2015 in Tokyo, Japan. 写真提供:時事通信

「アップルウォッチ」などの時計型、「グーグルグラス」などのメガネ型などが話題になったのを覚えている方も多いことでしょう。

様々なウェアラブル端末で、大きな関心が高まっているのが“着るウェアラブル端末”、つまり服、です。なぜ「服」なのか?
正直言って、『時計型』『ブレスレット型』も『メガネ型』も普及という点においてはまだ成功例とは言い難いのですが、着衣型はウェアラブル端末の本命となりうるのか?
けさは、この辺りを探っていこうと思います。

まず…ウェアラブル端末で先行していた『時計型』というのは、

① 天気やスケジュールがわかるという情報入手機能
② メールやLINEなどが出来るコミュニケーション機能
③ 心拍数などがわかるヘルス機能

といった機能がついています。

“着るウェアラブル”は、最後の「ヘルス機能」をさらに進化させたモノ、と言っていいでしょう。つまり、着ることで、意識しない知らず知らずの間に身体の動きを正確に捉えて、健康状態を測定して知ることが出来る、というワケです。

具体的な例を紹介しましょう。
今月、東京ビッグサイトで、世界最大規模のウェアラブル端末の展示会『第3回ウェアラブルEXPO』が行われました。様々なカタチの端末が発表、展示されていたのですが、大きな注目を集めたのが、大手繊維メーカー・東洋紡の「着るウェアラブル」。身に付けるだけで、運転中の居眠りを検知してアラームを鳴らす肌着なのです。

その仕組みとは…
東洋紡は、電気を通し、伸び縮みするフィルム素材『COCOMI®(ココミ)』を開発。このフィルムがランニングの様な服の裏側の心臓付近に貼り付けてある肌着を着ます。するとフィルムが心拍の間隔を図り、もし眠気があると心拍の波形が変化!その情報が無線で飛んで、「寝るな!」「寝てるぞ!」とアラームが鳴るのです。

東洋紡が開発したフィルム生地「COCOMI®(ココミ)」は心電図を計測できますが、それだけでは意味がなく、その取った情報を飛ばして可視化する必要があります。飛ばす役割を果たすのがトランスミッターという小型機械。トランスミッターを作ったのは医療機器の製造販売をしているユニオンツールという会社です。

もし居眠りをしてしまったら、心電図の波形がゆっくりになる。その心電図の情報が、手元のアラームに飛んですぐに音で目覚めさせたり、運転手の会社に行く。このシステムを使うとバスやタクシーの運転手が事故を防げる・・ということから、今年中に販売を目指しています。

ちなみに、今まで居眠り検知の素材はゲル型やベルト型で違和感が多かったのが、この素材は着ているときに全く違和感がない。そういう意味でも、かなり進化していると言えるそうです。

こうした素材を使う場というのは、居眠り運転だけではありません。
例えば、暑い現場や寒い現場で働く人が着用すれば、心臓がちゃんと動いているかどうかの『見守り』ができます。実際、「着るウェアラブル端末」で先行開発している東レとNTTは、様々な現場で、「作業者の心拍数」や「熱の状態」「消費エネルギー」「転倒していないかどうか」などの状態を計測して目で見えるように可視化。作業している本人や、管理している会社に知らせるシステムを作っています。

さらには、高齢者など、「苦しいのかどうか」の体の状態の意思疎通がしにくい人が着用して、家族や施設などが心臓の状態を把握する、という『介護』の現場でも運用が考えられます。

さて、東洋紡の開発が面白かったのは…
ヒト用の前に、馬用に「着るウェアラブル端末」を販売した、という点です。
これまで馬の調教というのは、調教師のカンに頼ってきたところが大きかった。
走っている最中に心臓が1分間にどれだけ打つかを測るのが非常に難しかったのですが…
しかし、東洋紡のフィルム素材「COCOMI®(ココミ)」を貼り付けた帯を着させると、馬がどんなに激しく動いても心拍数が取れる。そんなわけで、馬の調教がうまくいっているのかどうかがよく分かる、ということになります。

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Horsecall™(ホースコール™)昨年7月発売 185,000円 競走馬の心拍数測定用腹帯カバーに当社導電素材が採用 | ニュースリリース|TOYOBO HPより

馬用があるなら、なんと、ウシ用も開発されているのです!
あのグンゼが開発したのは、その名も「ウシブル」。

乳牛というのは、暑さに弱い。夏の暑さでストレスを受けると生乳の生産量が減少してしまいます。
そこでグンゼが開発したウシブルは…
人の衣類にも使われる放熱性能に優れた冷感素材をベースにして、下着のように乳牛に着せ、細いパイプから少量の水を徐々に流すことで生地を常に湿らせ、気化熱によって冷却させる仕組み。
簡単に言うと、電気で牛の状態を把握して、場合によっては水を流して冷やす、という冷感ウエアと最適注水システムを組み合わせた独自の技術です。
京都府畜産センターと共同で実証実験を進め、早期の実用化を目指していますが、牛さんたちの効果も上々。

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ウェアラブル端末のついたシャツを着た東島アナ

「着るウェアラブル端末」は、ヒト、馬、牛と様々な場で使われ、今後もしかすると、ウェアラブル業界で大きなシェアを獲得していくかもしれません。

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1月31日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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