変わる高架下〜今度は中目黒!【ひでたけのやじうま好奇心】
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高架下といえば「飲み屋街」。
ガタガタと電車の音を聴きながら赤提灯が灯る、そんなイメージですが、実はここ数年で随分と「オシャレ」になっているんですね。
去年11月に開業して話題になったのが「中目黒高架下」。
フラワーショップや蔦屋書店、カフェやバーが充実していて、比較的若い年齢層に人気のオシャレスポットになっています。
またアート系も多くて、その先駆けともいえるのが、7年前に御徒町駅から秋葉原駅の高架下に誕生した「2k540」。
ものづくりがテーマのショップやアトリエが並ぶアート系定番スポットです。
高架下が変化してきた大きな理由の1つに「耐震補強工事」があります。
阪神・淡路大震災を教訓に、日本では建物の耐震性を向上させる動きが加速。
耐震補強工事に合わせて高架下を再開発しようという動きが増えているんですね。
中目黒高架下も、耐震補強工事を契機に東急電鉄と東京メトロが再開発をしたもの。
工事の前から飲食店が並んでいましたが、工事を機にオシャレな空間へとリニューアルさせたというわけ。最近は このパターンが多いですね。
また単純に「高架下のスペースがもったいないから」という理由もあります。
これまで高架下の活用法としては、倉庫や駐車場、自転車置き場が多かったのですが、せっかく土地があるのだから、積極的に活用しない手はないということで、徐々に高架下を活用する動きが増えてきているんですね。
アート系の高架下「2k540」も、もともとは駐車場と倉庫だった場所。
駅近のスーパーや飲食店とは異なる専門性の高い「ものづくり」の空間を作ることで、今まで地味だった高架下に新たな価値を生み出そうという考えですね。
高架下を活用するというのは、ある意味、町を作ることに影響します。
都市部には縦横無尽に線路が通っていますから、そこに何かを作ることで、環境は大きく変わり、その町の特徴をうまく反映できればより一層人気になります。
中目黒だって、最近は若い世代の住みたい街のランキングで上位になるほど、オシャレな街ですから、そこに合わせたオシャレな高架下を開発したと。
まさに「高架下と町は共存している」という感じですね。
また最近は「保育所」を高架下に建設するケースも増加しています。
高架下に保育所ができると沿線に子育て世代が住むようになりますし、そのためのお店が出来たり、町の状況が変わるので、まさに「まちづくり」。
共働きの世帯だと、駅に行く途中で子供を預けられるメリットもあります。
高架下の保育所に関しては、騒音や振動の影響がないように二重窓を採用したり、補強された柱を使って揺れないようにするなど配慮もされていますが、保護者からは安全面・健康面について賛否があるのも付け加えておきます。
もちろん高架下の使い方は、「まちづくり」と直結しているところもあるので、なんでも作っていいというわけでもありません。
建設するものによっては、周辺住民との話し合いが必要になりますし、新しい商業施設を作るにしてもそれまで商売をしていた人との話し合いが必要です。
住民との交渉が上手く進まずに頓挫するケースもありますからね。
土地の有効活用、街のイメージ向上、高架下にもいろいろとドラマがあります。
これから高架下がどう変わっていくのか、ちょっと注目です。
3月16日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より