4/14(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
サリン兵器も保有 朝鮮半島への緊張高まる
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
北朝鮮はサリンも含めた相当量の化学兵器を保有している!
朝鮮半島の有事に備え、日本政府がNSC(国家安全保障会議)で対応策の検討に着手したことが、複数の政府関係者の話で明らかになりました。核ミサイル開発を強行する北朝鮮に対し、アメリカのトランプ政権が圧力を強化するため、軍事行動など、あらゆる選択肢の検討に入ったことを受けたものです。
高嶋)いろいろお祭り行事もあるようですが、その裏で何を企んでいるか、みたいな。そのような部分も推理されています。まずはニッポン放送報道部、森田耕次解説委員です。
森田)朝鮮半島の緊張が高まっていることから、日本政府は有事に備えた危機管理を急いでおり、昨日の午後もNSC(国家安全保障会議)の関係閣僚会合を官邸で急きょ開催しました。昨日は、北朝鮮が猛毒のサリンなどの化学兵器を生産できる、複数の施設を持ち、相当量を保有しているとみられると報告されました。昨日の参議院外交防衛委員会で、サリン弾も保有している可能性について答弁している安倍総理大臣と菅官房長官の記者会見です。
安倍総理)サリンを弾頭に付けて、着弾させるという能力については、すでに北朝鮮は保有している可能性がある訳でございまして……
菅官房長官)化学兵器を生産できる複数の施設を維持し、すでに相当量の化学兵器を保有している、というふうに見られております。
森田)韓国の国防省によりますと、北朝鮮はサリンや、猛毒の神経剤VXを含む化学兵器を2,500~5,000トン程度保有しているということです。朝鮮半島有事に備え、NSCでは2月から対応の準備を進めていますが、これまでの会合では、アメリカが北朝鮮に軍事行動を行った場合には、九州から東北地方の日本海側沿岸に、船で大量の難民が流入すると想定されています。
また、難民を装って北朝鮮軍の兵士が上陸し、インフラの破壊やテロに及ぶ可能性があるとし、警備面での体制強化が課題として上っています。
また旅行者を含めておよそ6万人と推計される、韓国国内の日本人救出については、韓国の同意が得られれば自衛隊の航空機や艦船の活用も検討されているということです。
こうした中、明日、金日成主席生誕記念日を控えまして、現在も北朝鮮北東部のプンゲリ(豊渓里)にある核実験場では、活動が続いていると見られています。高嶋)まず、昨日総理も発言された、サリン搭載能力。これはもう不気味ですね。
宮家)“貧者の核兵器”といって、そんなに簡単ではないですが、持ててしまうわけです。それが弾頭に積まれれば、もし着弾した場合、普通の爆弾とはまったく違う効果が出て来るわけです。しかし、こうしてNSCがきちんと開かれ、こういった議論をするのは大変結構であるし、それ自体に文句を言うつもりはありません。この問題は1953年の朝鮮戦争の休戦時代以来、ずっとくすぶっていることです。そして90年代以降特に核兵器、そしてミサイル能力が伸びてきたわけですから。もう10年、20年前からこのような事態が起こることはある程度想定されていたわけですので、とにかく十分に国民の理解を得ながら最悪の事態を避けるために準備しなければいけない、という気がしますね。
アメリカは中国へ企業制裁の圧力を掛けたか?高嶋)カール・ヴィンソンという空母艦が北へ向かっているとか、国連でも動きがある。トランプさんは中国に対してかなりの物言いをしたような形跡がありますね。
宮家)そうですね。中国に対しては、「アンタ、このままでいいのか」と。「北朝鮮にちゃんと圧力を掛けてよ、もししないのなら、自分たちでやるよ」と。ガツンとやる、という意味では無くて、おそらく中国人や中国の企業に制裁する、という圧力をかけたのですよ。それで、習近平さんも即答できなかったのでしょう。だけどこの間の電話会談。あれは中国が受けたことになっていますが、おそらく中国が電話をかけたのだと思います。それで、宿題の答えを出したのでしょうね。だからこそ、その後にトランプさんが「なかなかいい話だった」ということになっているので、おそらく中国は何らかの形で北朝鮮に圧力を掛けることは約束したのでしょう。少なくともやるフリはすると思います。
高嶋)北朝鮮は、最近中国の言うことをあまり訊かないという説もありまして、それでいよいよ明日の15日の盛大な行事みたいなものが映像で散々出ますけれど、その他の怪しい面では、やはり核実験とかミサイルとか。それはあり得るのでしょうか?
宮家)すくなくとも中国は今回4月の一連のイベントの中で、核実験をされたらメンツ丸潰れですよ。アメリカに対して「何かやる」と言っておいて、それで核実験をやられたのではメンツ丸潰れです。だから、おそらく今回4月に核実験があるかないかというのは、中国が北朝鮮にどの程度影響力を持つかしめす、バロメーターになるのではと思います。
高嶋)なるほど。明らかにそうだということですね。トランプさんは「北朝鮮は問題だ」と。単純ですから「問題は解決する」とまた言ったそうですが。
宮家)言うだけですから、あの人は。