4/13(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
北朝鮮とアメリカ 高まる緊張
7:03~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
金日成氏生誕記念日に北朝鮮が企てるものは?
高嶋)北朝鮮問題です。明後日の15日は、北朝鮮建国の父、金日成さんの105歳の生誕記念日ですね。これを機に核実験をやるのでは、という恐れだとか。それから一方で、トランプ大統領の登場で、コトが具体的になってきまして。
山本)そうですね。極めて具体的になってきています。
高嶋)それで、この間会ったばかりなのにトランプさんと習近平さんは電話会談、電話協議をした。中国、北朝鮮に圧力を検討か、というような。相撲で例えると、今のところ「トランプよった、トランプよった」という感じで押され気味ですね、中国。
山本)シリアのミサイル攻撃を急に言われたことが張り手だとしたら、今はだいぶ土俵側に寄ってきてますけれど、中国の方としても、「粘らなきゃ」と思って一生懸命に踏ん張っているところですね。いずれにしても、軍事攻撃というのは、この場で北が挑発行動に出れば、これはアメリカが手を下すのは恐らく疑うべきではない状態だと思います。
高嶋)ミサイル撃っても。核実験なら無論のこと。
山本)核実験であれば間違いないでしょうね。ミサイルであったとしても、この場合では、撃つのは普通の指導者であればそういう判断はしないはずですが、国際政治ではよくある“マッドマン・セオリー”と呼ばれる、常軌を逸した判断をするリーダー。通常とは違う判断をする指導者……
高嶋)これはどちらのことを指して言っているのですか?
山本)実はこれ、両方なのです。アメリカ国内の政治で言うと、トランプ大統領は“マッドマン・セオリー”の典型だと言われています。もう一方、国際政治で言うと、金正恩がまさにこの“マッドマン”タイプですので、マッドマンを2人組み合わせた場合に何が起きるのか、ちょっと予想がしづらい部分がありますよね。ですから通常ならここで核やミサイルはやらないだろうと思うのですが、そこは敢えてやるべき、と思うかもしれない。
高嶋)アメリカ海軍の空母カール・ヴィンソンの一隊がずっと朝鮮半島の方へ北上してきて。いろいろなことが情報として入ってくるなかで、北朝鮮は戦争前夜みたいになっているのでしょうか?
山本)常に臨戦態勢で来ているつもりですから、彼らとしてはそこに意外感は無いのかもしれませんね。
高嶋)常に軍事的な作戦は展開していると。
山本)国内への緊張を高めることで政権を維持してきた国柄ですので、その辺は普通の国とは違うわけですよね。
1994年の北朝鮮IAEA脱退の際はギリギリで回避
高嶋)1994年に一触即発ということがありましたけれど、あれは簡単に言うとどんな内容だったのですか?
山本)簡単に言うと、北が核物質の抽出をどんどん続けて、それからIAEA(国際原子力機関)の脱退を宣言して。監視カメラのコードを切って監視委員を追い出して。「もう国際監視から外れた状態で好きにやるぞ」ということをやっていたので、このまま放って置いたら核の開発に行ってしまうというので、軍事行動で留めようということを真剣に、ギリギリまで考えた瞬間が1994年ですね。
高嶋)その時の韓国の金泳三大統領が、伝え聞くところによると、アメリカに「やめてくれ!」とすがって。
山本)クリントン政権でしたからね。いずれにしても、「あの時に止めておけば」というのが20年以上たった今日に皆が考えることですよね。あの時に止めさせておけばこういう状態にはなっていないだろうと。だから国際政治というのは、断を下すときにはそれなりのタイミングが絶対あると思うのですよ。それが今の状態が最良なのかは別にして、これ以上進んだら危険だというのは間違いないと思いますから。
高嶋)金正恩さんとしては突っ張る以外に作戦が無いですからね。
山本)そうですね。ここで良い子になったところで、国内の体制が持たないですから、ちょっと難しいでしょうね。