北朝鮮再度弾道ミサイル発射~原子力空母カール・ビンソンへの威嚇か 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/1(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

トランプ大統領「これはチェスゲーム。何を考えているのかは教えない」
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

北朝鮮のミサイル発射を受け記者会見をする菅義偉官房長官=20170429午前首相官邸 写真提供:産経新聞社

北朝鮮のミサイル発射を受け記者会見をする菅義偉官房長官=20170429午前首相官邸 写真提供:産経新聞社


韓国大統領選挙~親北の文在寅(ムン・ジェイン)氏優勢

菅官房長官) 度重なる挑発行為を断じて容認できず、北朝鮮に対し厳重に抗議を行いました。

北朝鮮は一昨日、またもミサイル一発を発射しました。アメリカのトランプ政権への対決姿勢を示した形で、今後緊張がさらに高まる可能性があります。

高嶋) 米韓の軍事演習も終わりました。トランプ大統領は「これはチェスのゲームである。私が何を考えているかは教えない」と。つまりレッドラインは何かということは言わないということですが。まずはニッポン放送報道部の畑中秀哉デスクです。

畑中) 今回のミサイルはKN17という新型中距離ミサイルと推定されます。日本時間の一昨日午前5時半ごろ、内陸部の北倉(プクチャン)付近から発射されたと見られます。日本ではこのミサイル発射情報を受けて地下鉄や鉄道が一部ストップするという事態になりました。韓国軍によりますとミサイルは数分間飛行したものの、発射は失敗したとしております。ただ今回は内陸部ということで住民に被害が出る可能性もあったわけです。北朝鮮はどこからでも発射できるというアピールをしたと見られます。ただ当の北朝鮮メディアはこのミサイル発射について公式には報じておりません。が、緊張感を煽りたておりました。一昨日の平壌放送の日本語放送です。

平壌放送) マンモス原子力空母『カール・ビンソン』と『原潜ミシガン』をはじめ、アメリカの核打撃集団が朝鮮半島水域に緊急投入されて、敬愛国に対する軍事的挑発のレベルが最大限に高まっていることとタイミングを合わせていることから、事態はさらに由々しいものです。

畑中) 日本政府ですが、安倍総理大臣はこのときはイギリスで滞在していましたけれども、記者会見をして北朝鮮の行為を強く非難した上で、早期の6ヶ国協議の再開には否定的な考えを示しました。

安倍首相) 日米同盟の抑止力、対処力。日米韓の連携を強化していくことが不可欠であります。対話のための対話は何の解決にも繋がりません。現時点でただちに6者会合を再開できる状況にはありません。

畑中) こうした中、一昨日では日本海に入ったアメリカの原子力空母カール・ビンソンと海上自衛隊の護衛艦が共同訓練を行いました。さらに海上自衛隊は安全保障関連法に基づいて自衛隊が平時、平常な状態からアメリカの艦艇を守る任務にあたることになりました。これは武器等防護と呼ばれるものでして、去年3月末に安保関連法が執行されていますが、そのときにできた新しいミッションを自衛隊が行う初めてのケースになります。一方韓国では来週の9日に大統領選挙が行われます。北朝鮮の情勢への影響が注目されるところですけれども、すでに日本では在外投票が行われておりまして、日本に在留する韓国人にこの北朝鮮問題について聞いております。

韓国人・男性) 北朝鮮の攻撃する主体であれば、アメリカですよ。ミサイルに対しての脅威は、私は感じていないです。

韓国人・女性) いつもあったことなので、そんなに不安に思っていないですし。戦争というのは他の国も関わっていると思うので、そんなにすぐに戦争にはならないと思います。

韓国人・女性) 今まで圧力をずっとかけているので、そうじゃなくて融和政策をしたほうが、この緊張が解けるのではないかと思います。

畑中) 今の声はあくまでも日本に在留する人の声ですから、韓国の本土の世論を代弁しているかわかりませんけれども。今回の選挙、やはり北朝鮮に近い路線を取るのではないかと見られている、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)氏が優勢と伝えられております。こうした声はある意味、この文在寅氏優勢を裏付けるものと言っていいのかもしれませんが、日本から見ると少し温度差を感じるな、というところが正直なところですね。


内陸部移動式ミサイルKN17が北倉で発射も失敗

高嶋) 須田さん、北倉というところからミサイルを撃って失敗したでしょう? それがKN17というやつであると。これは特徴のあるミサイルのようですね。

須田) 移動式のミサイルです。

高嶋) カール・ビンソンを狙えるようなやつだとかいう解説をしている人もいましたけど。

畑中) このミサイルに限らず、北朝鮮の意向としてはいつでもカール・ビンソンを狙えるぞという状況にはあります。あとは移動式のミサイルですから内陸部のどこへでも行けるというのが今回の最大のアピールポイントではなかろうかと思います。

高嶋) 液体燃料ではなく固体燃料と。移動式でどこからでも撃てると。だからいろんなところで一種のデモンストレーションをやっているということですよね?

須田) そうですね。

高嶋) この間の「ソウルを火の海にする」みたいな、ずっと戦車を並べて300門? 火炎濛々で「わあ~~!」とやっていて。あれに対してもいろいろな見方がありますが。須田さんはどのように読んでいますか?

須田) あれはデモンストレーションであって、通常の戦場であんなことをやったら自軍に死者続出ですよ。あんな風に大砲を並べて撃つということはありえない。危険極まりない行為です。

高嶋) 軍事の専門家から言わせると「あんな撃ち方はできるわけがない」と。人によっては空砲説とも出ていましたね。

須田) ええ。空砲だったのではないかと思いましたし、もし自衛隊が同じことをやった場合、隊員は営倉にぶち込まれてしまいますから。


トランプ大統領はレッドラインを明かさず

高嶋) 100日目を迎えたトランプさんは、自分が演説してウケるペンシルベニア州に行って、またマスコミの悪口を言って、先程言いました通り「これはチェスゲーム。何を考えているのかは教えない」と。レッドラインを何にしているのかは全く明かさない。それがICBMの発射なのか6回目の核実験の強行なのか。どういうふうに取ったらよろしいでしょうか?

須田) ICBMも核実験もコインの裏表、表裏一体だろうと。ICBMの何が問題なのかというと、アメリカ本土に届くミサイルであるということ。それに搭載できる核の小型化をするためには実験を繰り返していかなければならないということですね。かねてから金正恩体制は2017年をひとつの節目にしまして、年内にICBMを完成させるという目標を立ててきていた。おそらく年内には完成しないと思いますが、絶対的にそれを阻止したいアメリカという中で綱引きが行われていると。小型化も完成の域に達していませんから、あと何度か核実験をしていかなければならない。それを阻止するというのもひとつの節目だと思います。

高嶋) どちらが意地を通しますかね? 両方ともですかね? 核実験をやって戦が始まるという感じでしょうか。

須田) それが一番ハードランディングみたいな形ですが、もう一方で北朝鮮はそれとなく日本に対してメッセージを送ってきているわけですよ。日本だけではなくアメリカも含めてね。つい先だって対日交渉の窓口である宋日昊(ソン・イルホ)局長が一部日本メディアのインタビューに答えて「日朝平壌宣言はまだ有効である」というような言い方をした。実は例の6ヵ国協議というのは日朝平壌宣言に基づいて設置されたミーティングです。これは核ミサイルについて協議する。ですから場合によっては北朝鮮も6ヵ国協議、それに代わる交渉の場で核ミサイルの問題を協議する用意があるよとも受け止められるのですね。


6ヶ国協議はあるのか

高嶋) 安倍さんはちょうどロシアとイギリスへ訪問していましたが、プーチンさんとは6ヵ国協議云々みたいな、北朝鮮問題についてどんな内容でしたか?

畑中) もちろん話しておりまして。プーチン大統領は、朝鮮半島情勢は深刻に悪化していると。ただ一方ですべての関係諸国は軍事行為を匂わす表現を控えて、平和的で建設的な対話を取るべきだと。つまり押さえて押さえてと。

須田) ただロシアの方も朝鮮との国境地帯に軍隊を展開し始めていますから。やはり一朝有事という備えをし始めていることも間違いない。だからといってロシアは北朝鮮に対して何らかのカードを持っているわけではない。

高嶋) トランプ大統領は中国の習近平さんに対して、肩を組んでお仲間みたいなことを言っていますけど、あの辺の本音はどうなのでしょうか?

須田) 基本的には通商貿易問題で対立するのでしょうけど、安全保障問題では交渉の余地有りと見ているといって間違いないと。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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