「ハウス」ひとつで愛犬のお悩み行動が解決!?【ペットと一緒に vol.27】

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ご自宅に、愛犬用の「クレート」(ハウス)はありますか?
犬のしつけ教室を運営している筆者は、クレート常設生活をおすすめします。それだけで、愛犬に快適生活を提供してあげられるうえ、愛犬の問題行動がぐっと減った例をいくつも知っているからです。


ハウスは愛犬の安全基地

野生の犬も含めてイヌ科の動物の多くは、洞穴のような場所を巣にするという習性があります。上部と側面をすっぽり覆われていれば、外敵に襲われにくく、安心して休息や子育てができるからです。
室内犬としての歴史が長くなった犬たちですが、遺伝子には野生時代の本能がきっと組み込まれていることでしょう。洞穴型のスペースは、犬であれば本能的に安心できると言えます。

ご自宅に、サークルを置いている飼い主さんは多いかと思います。けれども、サークル内にクレートを入れていなかったり、サークルがスカスカな空間になっているようであれば、愛犬の安心度は低めかもしれません。
その証拠に、飼い主さんが在宅のときはフカフカなドッグベッドが入ったサークルではなく、ソファの下や椅子の下などにいることが多いという声もよく聞きます。
やはり、上部が覆われていると安心できるに違いありません。

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クレートがないから、せめて上部が覆われたソファの下に入ろうと


クレートでお悩み解決した実例

クレートひとつで、犬のお困り行動が軽減することも!

自宅にいる愛犬が、来客やなにかの刺激によって興奮してしまったとします。愛犬自身でも、どうやって興奮を抑えてよいかわからなくなっているときは、日頃から慣れ親しんでいるクレートに入れると、落ち着くケースが多いとされます。

筆者の知人宅の犬も、窓の外に鳥が飛んでいる様子が見えると吠える癖があります。よく、トレーニングの指南書などには「興奮する前に抑えること」と書かれていますが、家事も山積な日々の生活のなかで、愛犬よりも毎回先に鳥に気づくのはなかなか至難の技。
そこで、一声「ワンッ」と愛犬が吠えたらすかさず「ハウス」と指示を出してクレートへ誘導を。愛犬が入ったら、長時間ガジガジと噛み続けられるおやつや、フードを仕込んだ知育トイなどをクレートにすぐに入れて扉を閉めます。
知人もまずはクレート大好きにさせる練習を重ねたのち、この方法を試したところ、自宅で愛犬が落ち着ける時間自体が増えたと喜んでいます。

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クレートに入ると、大好きな知育トイが出てくるんだよね~

また、来客時に興奮が収まらない犬にも、クレートに入っていてもらい、落ち着いたら室内をフリーにするようにさせるのもおすすめです。こちらも、効果があったという飼い主さんを筆者は複数知っています。

もし「中でおやつをあげたりしたけど、愛犬はクレートが好きじゃないよう」だと思うならば、設置場所の問題かもしれません。クレートが好きになれるまでは、飼い主さんのぬくもりを感じるけれども、人通りが多くない場所に置いてみてください。

多頭飼育で、ほかの犬の動きが気になって安息できないという愛犬にも、ぜひクレートの活用を。1頭ずつ、専用のクレートを用意してあげるのが理想的です。
お昼寝をさせるときなどは、できればみんな同じ時間にクレートに入れて扉を閉め、自分だけの安心空間でゆったりさせてあげたいものです。

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クレート好きにさせる練習は、飼い主さんのぬくもりが感じられるところで


車の中でもクレートが大活躍

自動車で移動中、外の刺激が気になって吠えたり興奮したりしていた犬が、クレートに入れることで、ドライブ中はクレートの中で横になってほとんどの時間を寝て過ごすようになったという例もめずらしくありません。

そもそも、筆者がドッグトレーニング留学をしていたオーストラリアでは、条例で犬のシートベルトが義務付けられていました。フリーで乗車していた愛犬が原因によるドライブ中の事故が多発したからです。
クレートに愛犬が入っていれば、そのような交通事故も防げます。
シートベルトが通せるクレートも多数販売されていますので、一緒に車に愛犬と乗る機会が多いならば、そのようなタイプを利用すると良いかと思います。


クレート大好きにさせるコツ

もしかすると、愛犬は「洞穴型のところが落ち着く」という野生の本能が目覚めていないかもしれません。
そんな犬たちには、まずは「クレートはどこより安心できる」と教えてあげるのが大切。

子犬期から愛犬を迎えたならば、1日のうち、ご飯の1食は扉を閉めたクレート内であげるようにするのが、クレート好きにさせる第一歩と言えます。

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ヤ~。飼い主さんのにおいのついたTシャツを入れるなどして、子犬期からクレートへの安心感を育もう!

それから、「ハウス遊び」をして、「ハウス」という号令でクレートに入るようにトレーニングもしておきましょう。
やり方は簡単。
飼い主さんが「ハウス」と指さしついでにクレートにおやつを放り込んで、愛犬がクレートに入ったら、おやつをさらに追加投入します。最初は飼い主さんとクレートの距離を近づけて練習しますが、レベルアップしてきたら、2メールほど離れたところからでも「ハウス」の指示で愛犬が入れるようにしてみてください。
実はこれ、悪天候で散歩に行かれないときなどにゲームとして行うと、愛犬の室内運動にもなるんです。

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とっておきのおやつを使い、「ハウス」の合図で愛犬がハウスに入れるように練習中♪

さて、いかがでしたか? クレートが安心できる場所だと認識できて、室内で落ち着けることを知っている犬は、きっとストレスも少ないもの。室内で愛犬がゆったり静かに過ごしてくれれば、飼い主さんも快適に生活ができます。
ぜひ今日から、愛犬のクレート活用生活をスタートしてみてください。

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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