猫専門の病院&ホテルに注目!猫へのストレスが少なく安心【ペットと一緒に vol.29】

By -  公開:  更新:


最近、猫専門の動物病院が増えてきています。
待合室で、犬などほかのペットと会って猫が怖い思いをしないですむなど、飼い主さんの安心ポイントの多さから、ニーズが高まっているのです。
そんな猫専門病院のなかでも、比較的新しい病院を見学して院長にお話をうかがいました。

 
やさしく明るい雰囲気の……、サロン!?

東京都品川区に2016年8月に開院した、猫の診療室モモ
飼い主さん向けセミナーや保護猫活動なども積極的に行っている病院で、完全個室の猫ホテルや、デイケア、老猫ホームにも対応しています。

取材に訪れた筆者の目をまず引いたのは、美容院かと見紛うようなピンク色のあたたかい雰囲気の外観!
待合室には、シャンデリア風の照明からやわらかな光がキラキラとこぼれています。

「近年は終生室内飼育が増えたこともあって、外に出るだけで怖がってしまう猫ちゃんが少なくありません。なので、飼い主さんもナーバスになってしまい、よほど具合が悪くなってからでないと猫と病院に来ないケースも。猫と飼い主さんが少しでも心和めるよう、ピンク色を基調に動物病院っぽくないような空間作りを心がけました」と、谷口史奈院長は語ります。

猫の病気の早期発見の重要性を感じている谷口先生の思いから、このようなスタイルになったのです。

国道1号線沿いに佇む、やわらかな雰囲気の病院

国道1号線沿いに佇む、やわらかな雰囲気の病院

猫の飼い主さんの気持ちに寄り添う工夫

谷口先生も、6歳のペルシャと暮らす愛猫家のひとり。飼い主さんと猫の気持ちがよくわかると言います。
そのため、診察室にも特徴が。診察台が、白い木製のサロンテーブルなのです。
「病院という堅苦しさを感じさせないように工夫しました。猫と一緒ではなくても気軽に相談しに立ち寄れるサロンのような場所でありたいですね」と、谷口先生。

実際に、セカンドオピニオンを聞きに訪れる飼い主さんも増えているそうです。
飼い主さんの気持ち、時間的ゆとり、経済状況などによって、同じ猫であっても治療法には複数のチョイスが生じます。それを、じっくり獣医師と飼い主さんとが相談しながら最良の選択に導きたいと、谷口先生は望んでいます。

金属製の診察台ではない普通の木製家具だから、猫の緊張もほぐれるはず!

金属製の診察台ではない普通の木製家具だから、猫の緊張もほぐれるはず!

さらに、猫の診療室モモでは往診や送迎にも柔軟に対応しています。
「どうしてもキャリーバッグに愛猫を入れられない飼い主さんのために。また、複数飼育の場合、みんなを病院に連れて来るのが大変だと思うので」。

ちなみに谷口先生によると、怖がりな猫に最適な通院用キャリーバッグは、バッグ(またはケース)の上部がパカッと開くタイプだとか。
「側面1面だけしか開かないと、看護師や獣医師の手をキャリーバッグの中に入れるのが大変で診察ができませんが、上部が開けば、バッグやクレートに猫ちゃんが入ったまま診察できますからね」とのこと。

 
保護猫活動やセミナーにも注力

病院の待合室には、新しい家族を募集している猫のスペースも設けられています。
筆者が取材した日には、とても人懐っこい猫ちゃんが、そのキャットウォーク型シェルター内でジャンプしたり、おもちゃを手で揺らしたりしていました。

「にゃぁに?ここはとってもいいスペースだね♪」

「にゃぁに?ここはとってもいいスペースだね♪」

保護団体などと提携して、随時、猫の里親募集を行っていて、これまで6匹の猫がこの病院から新たな家族のもとへ旅立ったそうです。

保護猫スペースの横には、かわいい猫グッズも!
「待合室は、診察に来た方だけでなく、猫好きの方がブラリと立ち寄れるコミュニティーのようなスペースにしたいんです。“猫友”を作っていただければうれしいですね」(谷口先生)。

大好きな猫に関する知識をもっと深めたいと望む飼い主さんのために、セミナーも開催されています。
これまで、キャットトレーニングに関するセミナーや、行政書士による「残された愛猫」への備えに関するセミナーなどが開かれました。

猫をこよなく愛する谷口先生と、その思いがたくさん詰まった猫のためのスペース

猫をこよなく愛する谷口先生と、その思いがたくさん詰まった猫のためのスペース

今後も、このような、猫にやさしい猫のための動物病院や施設は、きっと増えていくに違いありません。
みなさんのご近所にも新規オープンしているかもしれないので、ぜひ探してみてください。

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

Page top