国内ラストラウンドの可能性もある、サントリーレディスオープンの最終日。
会場となった兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部は、大会の4日間、大入り満員続きでした。
もちろんギャラリーのお目当ては、今季限りでの現役引退を表明した宮里。
そのプレーを目に焼き付けておきたいと、上位や優勝争いそっちのけで連日、各ホールは藍マニアで埋め尽くされました。
5月29日に現役引退を発表し、その直後から、またしても時の人になりました。
4年、いや5年前から引き際を考えてきた。
つい最近、決断したわけではない。
未練や迷いがあったら、さみしさを感じているかもしれません。
でも、4日間を戦い終えて、感じたのは皆さんへの感謝だけでした。
だから、復帰はありえない。
と、改めてこの日に宣言。
通常なら、シーズンの大詰め、あるいはオフに現役を退くことを表明するのがセオリーです。
ただ、中盤で異例の発表となったのは、唐突ではなく、周到な計算があったのもの。
今回は、所属するサントリーが主催する試合です。
プロデビュー以来、パートナーシップを構築した企業へ、最大の恩返しをする、つまり、大会を盛り上げることがホステスプロの役割です。
絶好のタイミングで発表したことで、前売りは完売し、マスコミが押し寄せてPR効果はかつてないほどになりました。
まさに、プロの鑑。
かといって、どこからも批判の声が上がらないのは、宮里の人柄。
多くのプロ選手が、ゴルフの技術より先に、「人間性が素晴らしい」と言います。
最初の仕事がゴルファーで良かったと思います。
皆さんは、ブームを起こしたと言ってくださいますけど、私はうまくタイミングがはまった。
そう、感じる。
沖縄の小さな村で育ち、昔から地域の人があたたかい。
もし、プロがダメでも帰るところがある。
そのことが頑張ることができた要因でしょうね。
たとえ体が小さくても、世界一になれたのは、沖縄の環境のおかげだと思う。
ホールアウト後、42分間の会見で宮里は、心情を語りました。
国内、海外をあわせて、プロ通算は23勝。
宮里サイドには、今季、日本ツアーの出場オファーが殺到中ですが、9月まで、米ツアーへ専念するのは当初の予定通りです。
もう1度、日本でプレーが見たい、と願うファンは多いかもしれません。
とはいえ、この見事な引き際は、女子ゴルフ界に革命を起こしたレジェドにふさわしいと言えるでしょう。
6月12日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」