世界4大メジャーの今季第2戦「全米オープン」で2位タイに入った松山英樹が、世界ランキング2位へ浮上しました。
前週は4位。今年、5月に自身が記録した、日本人最高記録を更新しています。
今年は本気のメジャー狙いです。
昨年10月、世界ランクが初のトップ10となり、今年1月にはトップ5へ。
自身はもちろんのことですが、周囲の盛り上がりがものすごいことになっています。
しかし、メジャー第1戦のマスターズは11位。
直後から、パッティングの不調に悩まされ続けました。
平均飛距離は301.8ヤード、さらにアイアンショットの切れ味が鋭い。
一見、松山はショットメーカーのように感じますが、実はパッティングで試合の流れをつくるタイプ。
名手は、パッティングをことさら大事にする。あのタイガー・ウッズも、飛距離ばかりをクローズアップされていたものの、全盛期はパッティングがものすごくうまかった。
松山の場合、好スコアを連発するのは、2.5~5メートルのパッティングが入るかどうかにかかっています。
昨年、優勝を飾った日本オープンでも、このぐらいが本当によくカップインしました。
…で、入らないとどんなことが起こるのでしょう。
できるだけ、ショットでピン近くへボールを乗せようとする。
マスターズ以降、懸命にショットの精度をあげようとしたものの、これが失敗で、両方がいまひとつの状態になりました。
しかし、ここで救世主が登場します。
宮里優作のコーチとして、帯同していた父の優(まさる)さんから1日目のホールアウト後、パッティングについてのアドバイスを受けました。
仏頂面で職人肌の松山は一見、我が道を行くタイプで周囲からの言葉には耳を傾けないような雰囲気ですが、実は見かけとは正反対で自らアプローチすることこそありませんが、他人の意見をたくさん聞きたい性格です。
いろいろな指導者が、自分をどう見ているのだろうと興味があります。
優さんの助言で松山はグリップの右手の向きが、微妙に違っていたことにピン!と気づきました。
習ってすぐできるのなら、苦労はしない。
と言いながら、74の1日目から、2日目は65と急浮上。
前日に「最悪です」と首をひねっていたものが、2日目のホールアウト後には、「最高です」と大きく変わりました。
ただし、フィーリングを完全に、自分のモノとしたわけではありません。
ムービングデーといわれ、優勝へのキーポイントとなった3日目は71。
ここでスコアを伸ばすことができたら、日本人初の4大メジャー制覇となっていたかもしれません。
次のメジャー、7月20日に開幕する全英オープンでは、きっと自信に満ちた表情で臨んでくるでしょう。
ちなみに、今季の獲得賞金は、ここまで594万5,990ドル。約6億5,400万円です。
6月20日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」