小池都知事“築地は守る・豊洲を生かす”高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/21(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

共存案が都知事選にどう影響するか
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

築地市場(左)豊洲新市場(右) 写真提供:産経新聞社

築地市場(左)豊洲新市場(右) 写真提供:産経新聞社


小池都知事 豊洲・築地共存案を発表するも具体策や財源は示さず

東京都の小池知事は昨日、築地市場を一旦豊洲に移転し、築地を再開発する基本方針を発表しました。これにより豊洲市場は、早ければ来年5月の大型連休明けにも開場する見通しですが、移転に反対する業者が立ち退きを拒む場合、難航する可能性もあります。

小池知事が昨日示したのは、豊洲・築地共存案でした。明後日告示の東京都議会選挙を睨み、豊洲への移転推進派と反対派、双方から得票を見込める、玉虫色の決着で、早期移転を主張する自民党との違いを演出しましたが、具体策や財源などは示さないままでした。昨日の小池知事の会見です。

小池知事)築地は守る、豊洲を生かす、ということを基本方針その1とさせていただきます。築地市場につきましては、5年後を目途として、再開発をしていく。「食のテーマパーク」機能を有する、新たな市場として、東京を牽引する一大拠点とする考え方。豊洲中央卸売市場でございますが、冷凍冷蔵、物流、加工などの機能をさらに強化することにより、将来にわたる、総合物流拠点にもなりうる、という考え方でございます。

小池知事は環境大臣時代、環境省の幹部を務めていた、市場問題プロジェクトチームの小島敏郎座長と、ギリギリまで方針を練っていたとのことですが、あるプロジェクトチームの関係者は、「世論調査で「豊洲に移転するべきだ」という声が勝っていたこともあり、築地再整備だけでは支持を得られないと判断した」と述べる人もいます。小池知事は、昨日の会見では豊洲会場の日程について明言しませんでしたが、関係者によると、「追加の安全対策を実施した上で、来年の5月ごろに移転する方向で調整する」とのことです。
一方、築地の跡地は当面、オリンピックの輸送拠点として活用し、競技会場のある臨海部から築地を通って都心部を結ぶ、環状2号線を、大会の前までに開通させるとのことです。こうした小池知事の案に批判的な、都議会自民党の高木啓幹事長、それから築地史上最大の組合員を抱える、東京魚市場卸協同組合の早山理事長の記者会見です。

高木)売却をすれば、1回で資金調達は済むわけであります。それを50年間、誰が責任を持つのでしょうか? ましてや、年間160億円を50年間続けていくということになれば、50年間、このことに東京都は関与し続けなければいけない。そういうことになります。

早山)やはり「築地が良い!」という方が多数いらっしゃいます。今回の都知事の記者会見に関しては、まだまだ私たち自身が十分に受け止めることができていません。

森田耕次解説委員)「築地を賃貸して、年に160億円返済可能だ」としていることに関して自民党は批判的。それから、元々豊洲への慎重派だった早山理事長も今回の突然の知事の発表に困惑した様子です。また、農林水産省によると、いまの卸売市場法は、ひとつの中央卸売市場につき、卸売と、仲卸の業者を切り離し、別々の場所に置くような運営は、法律上想定していない、ということです。


小池知事は築地にこだわった?

高嶋)二者択一ですね。私の認識ですが、小池さんが「やられた」と思う失敗が2つある。1つはオリンピックの競技施設見直し。いろいろ言ったけど、結局元の鞘に戻ってしまった感じ。もう1つは自民党がキャンペーンをやった「決められない知事」、これはけっこうボディブローとして効いた。そんなことを考えると、こういう結論を出さざるを得なかったのではないでしょうか?

鈴木)あくまで私の印象ですが、「本当は豊洲に行くのでは?」という中で、よく踏みとどまったな、という感じを受けます。つまり、小池さんの胸中は、本人がはっきり言ったわけではありませんけれど、おそらく取材から察するに、「築地にこだわったのだろうな」と。プロジェクトチーム座長の小島敏郎さんも、やはり築地というものに非常にこだわっていたと聞いています。そういう意味では、どう築地を残すのか? 本当は築地に全部行きたい思いでも、現実路線として豊洲がある。その中で、よく築地を残したな、という印象です。ただ、これはどう見ても高嶋さんが仰るとおりで、こういう結論を出せば、当然両方から賛同もあれば、同じように批判もある。なので、どちらかよく分からない、ということになってしまう可能性があります。

高嶋)かなり先の話で、とにかくその前にオリンピックがあるわけです。「2号線も作る」と言っていて。あそこは最初、「築地は更地にして、駐車場とか、オリンピックに生かして、終わったら直ちに建設を始めて。それまでは今ある築地は全部豊洲に移転。「住めば都」ではないですが、豊洲に行って、不便な部分にも以外と順応して。そして5年経った後に、3年でオリンピックが終わり、2年間で築地が元に戻って皆がどっと一斉に帰ってくるような……どうですか?

鈴木)5年という時間で世の中の空気とか経済状況とか、いろいろ変わってくるかもしれない。だからそういう意味では、実はそこまで猶予を持たせたことがプラスになる可能性もあるわけです。もちろん、マイナスもあります。小池さんにしてみると、俗に言うブラックボックスでは無いけれど、たしかに現実的には豊洲にお金を掛けて、ある程度の流れができたけれど、一方、たとえば盛土の問題や、東京ガスが出すべき汚染対策費を東京都が800億肩代わり……ああいう豊洲にまつわるいろいろな、「どうしてこんなことが?」というものは、何も解決されていないのです。私が思うのは、むしろここで小池さんが出した判断、決断に評価を下すことも大事だけれども、もし小池さんや議会も含めてその辺のブラックボックスをキッチリやっていたら、現状はもう少しすっきりした結論になっていたかもしれない。だから、僕は豊洲問題の本質のブラックボックスの部分は結局取り残されたまま、現実論でものを見ている感じがします。


都議会戦への影響はどう出るか?

高嶋)これは小池知事の非常に前向きな決断だったのか、それとも追いつめられて虻蜂取らずになりかねない決断だったのか。どうでしょうか?

鈴木)追いつめられて、思い切って得意のブルーオーシャンに飛び込んだ、という感じがします。本当なら築地はゼロでもいいのに、ここに可能性を残したのが、小池さんとしては、何とか踏ん張ったという思いはあるのでは?

高嶋)当面の都議会選挙にはどのような影響を与えますか?

鈴木)難しいですね。先ほど言ったように批判も評価も両方きますから。それにプラスになったかどうかは見てみないと分からないですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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