FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
“小池チルドレン”新人候補の中には不安材料も
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
自民党は過去最低の23議席、下村東京都連会長は辞任表明
小池百合子代表)都議会議員選挙、「都民ファーストの会」として、第1党の座を確保することができました。
東京都議会議員選挙は、小池知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が、49議席を獲得し、自民党に代わる第1党に躍り出ました。一方、自民党は57議席から23議席に減らし、過去最低だった38議席を大きく下回る歴史的惨敗を喫しました。
まさに都政の勢力図が大きく塗り替えられました。都民ファーストの会は公認候補50人のうち、島嶼部の候補を除く49人が当選しました。これに、無所属の追加公認が6人。選挙協力をしている公明党が23人、「生活者ネットワーク」の1人を加えると、79議席。定数127の6割以上を占める結果になりました。その勝因について、ニッポン放送のインタビューに答える小池代表です。
小池百合子代表)都連のこれまでの体質や、物事の決め方というのは、まさしく「古い議会」そのままだったわけでして、この延長線で4年続くと、東京にとって死活的に問題だと思っていましたので、今回こういう形で。古い議会を新しくすることができるというのは、東京にとって良いことであると思っています。
畑中デスク)共産党も2議席増やし、19議席に上積み。一方、民進党は2つ減らし5議席という結果でした。自民党は23議席、歴史的な惨敗。高木啓幹事長も落選という憂き目を見ています。下村東京都連会長は、会長の辞任を表明しました。
このように「都民ファーストの会」は圧勝という結果に終わったわけですが、ただ会場で小池代表は、ほとんど笑みが見られませんでした。「都政改革に向けた覚悟を示す演出」という見方もできますが、やはり「都民ファーストの会」新人候補のなかには、たとえば「政策をお題目のように唱えるだけで、何が言いたいのか分からない」と漏らす有権者もいました。また、小池代表の応援が遅れている間に、「間が持たなかった」という候補もいました。
小池代表は「提案型の都議会に」と期待を寄せていますが、これらの、いわゆる「小池チルドレン」が期待通りの働きをするのか、単なる風頼みの議員で終わってしまうのかは、まだ未知数と言えます。さらに、豊洲市場の移転問題については、これまで費用の高騰に対する都議会のチェック機能の無さを批判するのが都民ファーストの会でしたが、豊洲移転、築地再開発の是非や、気になる財源の問題については、選挙戦ではまったく触れられていません。この問題ついて、遊説に訪れた有権者たちに聞いてみました。
有権者A)自民党みたいに突っ走ってすぐに「移転しろ」と言うのは、怪しいことがあるから、あれだけ急いでいるのでは……
有権者B)私は小池さんを支持します。豊洲・築地問題についてはちょっと「無駄にならないのかな?」と思います。
有権者C)両建ては無理だろうけど、やはり、両方やっていかないと。小池さんなら、上手くやってくれるんじゃないの?
有権者D)小池さんの意見は「どっちもいいとこ取り」みたいな形になっているので、本当にそうなのかな? と思います。
有権者E)世論の非難を受けないように誘導しながら決めたな、という。何だか、ちょっとセコさを感じるね(笑)
畑中)都民ファーストの会は圧勝したわけですが、この築地、豊洲の市場移転問題については、今後も都議会の大きな焦点になることは間違いないですね。
高嶋)豊洲云々の問題で、どっちつかずの結論を出したので、選挙に影響が出るのではと思っていたら、すっ飛んでしまいましたね。
畑中)逆に「難しい」ということで、有権者の側から見ると、どうも争点にしにくかったという考えもあったと思います。
安倍総理は善後策を協議する食事会高嶋)しかし、あの秋葉原の最後の演説。安倍さんが人前に出てきて、あそこまで「帰れ」コールを飛ばされるとは思わなかったでしょうね。
須田)まったくの想定外だと思いますし、秋葉原の演説場所というのは、ゲンの良い場所なのですよ。過去の国政選挙においては、必ず最終日に秋葉原駅の街頭でやっていまして。そこで支援を、応援コールを聞いて、気分良く選挙戦を締める、というのがいままでのパターンでしたからね。
高嶋)どうしても世間というのは先走りで。ではこれから先、「安倍内閣の命運はどうなるのだろう」とか。私が象徴的だと思ったのは、安倍さんは昨日、自民党本部に帰らなかったのですか?
畑中)そうですね。午後6時に東京都内のフランス料理店で麻生副総理と、菅官房長官と、甘利前経済再生担当大臣と食事をして、午後8時8分というたいへん微妙な時間に料理店を出て、24分には、富ヶ谷の私邸に到着する、というのが総理動静の記録で明らかになっていますが、その中では都議選の結果は、8時8分という時間ですので、謙虚に受け止めながら結束して、政策重視の政権運営に邁進する、という認識で一致したとのことです。
高嶋)たまたまこのメンバーだったのかもしれないけれど、いまとなってはもう古めかしいですね。いまとなっては。
須田)おそらく都議選敗北の決定を受け、善後策を協議する食事会だったのだと思います。フランス料理店で2時間しか食事をしていない。あの店はけっこう長丁場で有名なところなので、早々に切り上げたのだろうな、と。
都議選の敗北を受けて、ポスト阿部に動く石破氏、麻生氏高嶋)何人があの場面を見たのか知りませんが、石破さんが、ぶら下がりで。要するに、自民の大敗。かなり上気した雰囲気で。「全身にアドレナリンが巡って、人が変わっちゃったみたいだな」と。ここに来たときには、ゲストの椅子に座っていて、非常に冷静で、ちょっとけしかけるような質問をしても、まるで乗ってこない。終わるといつも「もっとやる気を外に出してくださいよ!」と言うのだけど、何だか昨日は隠せていなかったですね。
須田)おそらく、週明けには、場合によっては政局が、「ポスト安倍」という動きになりかねない。少なくとも、来年秋の総裁選では無投票再選というのはないでしょうから、そこから考えていくと石破さんは今日辺りから、来年秋の総裁選に向けて活動を開始するのかな、と。スイッチが入ったのでしょう。でもあの性格からすると、ちょっと早すぎるかもしれませんね。
高嶋)それで、山東昭子さんのところが、麻生さんのところに入ったとか。
畑中)はい。合流、ということで。この間はそれが無くなることでセレモニーがありました。
須田)説明しづらいのですが、正式な統合は今日なのです。おそらく、この都議選で敗北を受け、いよいよ麻生さんも動き始めるのかな、ということが伺えるような。感じがしますね。
高嶋)そうなると、菅官房長官も口癖の「何の問題もない」が消えますね。問題ばかり。
須田)菅さんも丁寧な説明を求められるのではと思います。
高嶋)とにかく、内閣改造や、来年はスピードを速めて憲法の中身を固めて臨時国会には自民党案を提出する、と安倍さんは言っていましたよね。スケジュールはどうなりそうですか?
須田)かなり狂いが生じてくるのではないかな、と思います。おそらく早々に内閣改造をして、支持率の浮上を目指していくのでしょうけれど、名前が上がっている人は小泉進次郎さんとか、場合によっては橋下徹さん。女性としては、三原じゅん子さんや、生稲晃子さんの名前まで、いま上がってきているわけです。ただ、それを並べ立てたところで、果たして支持率が上がるのかどうか、微妙な状況になってきていますから、それで上がってこないとなると、いよいよ政局ということになりますね。
小池1強となり、これからの舵取りが難しい高嶋)新聞を見ていると、「都民ファースト国政に現実味」という。都のトップになったときから、「小池百合子はポスト安倍を狙っている!」みたいな噂が渦を巻いたじゃないですか。度胸が良いからやる、とか。そのころ、「そんな簡単に言うけど、政党というのはそんなに簡単にできるものではないし、第一、金がないとできない」と。それで、改めて聞かれたのですが、小池さんの金庫というか、そういうのはどうなっているのですか?全部、今回当選した人も含めて皆で出し合ったのは……
須田)もう手弁当でやっている、という状況でしょうね。ただ、見出しにあるように「小池1強」になったわけですよ、都政においては。小池さんの政治手法というのは、必ず「敵を作って、それに対峙する」というスタイルを取っていました。今回から、それができなくなるのです。築地移転の問題も、全責任を小池さん負わなければならない。なので、むしろ小池さんの都政運営は、かなり舵取りが難しくなってくるのではないかな、と。失敗したことはすべて波が小池さんにかかるわけですから。
高嶋)勝ちすぎた、と思っていますかね。
須田)そうですね。敵がいなくなったわけですから。
畑中)叩かれる立場ですよね、これからは。
高嶋)内閣改造が起爆剤にならないとすれば、安倍さんも辛いですね。
須田)ちょっと計算違いでしょうね。