九州豪雨~福岡・大分合わせて250人近くが未だ孤立【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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7/10(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

犠牲者は21人、行方不明・安否不明者は20人を超える
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(経済ジャーナリスト)

豪雨

九州北部で豪雨 水が流れ込み、濁流となっている県道52号線上を歩き捜索を行う警察官ら=8日午後、福岡県朝倉市の杷木松末地区 写真提供:産経新聞社

菅官房長官、激甚災害指定を検討中

福岡県と大分県を襲った九州豪雨で、昨日福岡県で新たに3人の死亡が確認され、犠牲者の数は合わせて21人となりました。一方菅官房長官は激甚災害の指定について前向きに検討する考えを示しております。

発生から今日で6日目となりまして、亡くなった方はこれまでに21人、依然として20人を超える行方不明者、安否不明者の方がいらっしゃいます。孤立している人は福岡でおよそ30人、大分でおよそ220人、合わせて250人近くです。さらにおよそ1,700人の方が避難生活を続けています。
今日も自衛隊や消防などによります救助活動が続けられていますが、九州北部は今日も大気の状態が非常に不安定で引き続き雨が予想されます。ですから救助活動も二次被害が起こらないように慎重に行われるということになります。昨日も現地では一時強い雨が降りまして、福岡県朝倉市では115世帯316人に対して改めて避難指示が出ています。
こうした中で被災地の小中学校では終業を当初予定しておりました7月20日から繰り上げることとなりました。福岡県東峰村では今日10日から夏休み、朝倉市では今日終業式ということになりましたけれども、とくに被害の激しい5つの学校ではこの終業式も開けない状況だということです。
一方政府の対応ですけれども、菅官房長官は昨日の記者会見で激甚災害の指定について次のように述べました。

菅官房長官) 激甚の指定については、被災状況の把握を迅速に行って速やかに結論が出るように取り組んでいきたい。できることは全て、政府としてはやるという決意であります。

またヨーロッパへ歴訪中の安倍総理大臣も今回の豪雨への対応のため、最後の訪問国のエストニアの日程を取り止めて帰国を速めることになりました。帰国は明日になる見通しです。では現地で取材中のニッポン放送後藤誠一郎記者に聞きます。

後藤) 私は今朝倉市杷木地区を流れます筑後川のほとり、土手に来ています。今は曇っておりますけど、ところどころに晴れ間もありまして、気温は26度と比較的穏やかな朝を迎えております。被害の拡大を受け、昨日から朝倉市に入りまして取材をしています。
まずは災害対策本部がある朝倉市役所を取材しまして、その後多くの人が避難している市民センター『ピーポート甘木』へ向かいました。ここには昨日の時点で180人程が避難しており、地域ごとに避難所が作られていまして、主に市民センターのホールの楽屋などが活用され、和室もあり少しくつろげるような工夫がされていました。
ここで、実際に被災された市の東部にあります益恵・須川地区からヘリコプターで救助された方々にお話を伺うことができました。

救助された方々) ゴロゴロゴロゴロと、とにかく雷と石が流れている音と。家の前は川のように。材木がすごかった。

後藤) 道路も寸断されていたようですけれども。その辺は大丈夫でしたか?

救助された方々) いや、もうヘリで。

畑中) まさに命からがらという感じでしょうかね。

後藤) そうですね。朝倉市は昨夜の11時ごろから雷を伴う雨が降りました。今日も午後から雨が降るという予報になっておりますから、山間はかなり水を含んだ状態が続いておりますので、土砂崩れの危険もいたるところで残っているような状態です。

高嶋) 後藤さん、集落で孤立している人たちの数はどうなったのか。救助体制はどうなっているのかを教えてください。

後藤) 昨日までは自衛隊が4,000人ほどの体制で捜索をしていました。そして孤立している地域、福岡県内では約100人が取り残されているということで、ヘリで救助したいのですが、救出できる人数が限られていますので時間がかかっているそうです。
それから九州道の朝倉インターから杷木インターの間の一般道を走りましたが、おびただしい量の流木が流れ着いていた印象が残っております。皮がはがれて白くなった流木に交じり、車も流れ着いていました。山が緑と茶色のまだら模様になっていて、おそらく山の方では無数の土砂崩れが同時に発生しています。というところがこの被害を大きくしている原因だと思います。

高嶋) 孤立している方の人数と場所はしっかり確認していますか?

後藤) 私の情報は昨日災害対策本部で見たものなので多少人数が変わっている可能性があります。

畑中) こちらで入っている情報では、福岡・大分合わせて250人近くの方が孤立しています。

高嶋)  孤立している方たちに対して食料や、当面の命を守るための物は十分に届いていますか?

後藤) それは自衛隊が対策を取っているでしょうね。

高嶋) これからまだまだ拡大しそうな気配がありますね。どうもご苦労様でした。
今後、日本全国で線状降水帯ができる可能性がある

高嶋)  昔の台風でも酷い爪痕を残しましたけど、過ぎてしまえばパッと晴れました。線状降水帯なんて言葉は聞きませんでしたよね。

須田) 最近になって明らかになったメカニズムでしょうけど。台風の場合は事前に進路がわかっているために対応も十分に可能ですが、今回の場合はいくつかの特殊な要因が重なっていきなりきましたから。事前の準備という点で非常に心もとないですよね。だからといってそれに対応するためのインフラを整備するというのはなかなかハードルが高くて難しいと思います。

高嶋) 畑中デスクは気象予報士でもありますが、九州の北部を襲った線状降水帯は日本全国どこへ来てもおかしくはないものですか?

畑中) 今回は北西の風と南東の暖かい風が山地の東側でぶつかって、雲をたくさんつくったといわれています。日本は3分の2が山地で入り組んだ地形ですから、入り組んだところに空気がちょっと集まってくると雲ができる原因になります。そういう意味では日本のどこで起きてもおかしくはないと言えるかもしれません。

高嶋) 天変地異の気象なので、十分注意したいですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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