毎週日曜朝放送の「魔法のラジオ」では、パーソナリティを務めるフルート奏者の横田美穂が、民俗学者・井戸理恵子の監修のもと、旧暦をひもときながら、古きよき日本の文化や、暮らしに役立つ情報を紹介しています。
ここ最近の放送で何度か話題にあがったのが、閏月(うるうづき)。
4年に1度の『閏年』はおなじみですが、いったい『閏月』とは?
現在、日本の暦では"太陽が地球の周りを一周するまでの時間"を1年としています。
1年=12ヶ月で365日となっていますが、実際には約365.24日。
365日より少し長く、そのため4年に1度、1日増やして帳尻を合わせています。
一方、旧暦はというと、こちらは月の満ち欠けによって一ヶ月のサイクルを決めていました。
新月からおよそ15日かけて満月となり、同じくらいの時間を費やしてだんだんと欠けていくまでの日数は、約29.53日。
昔の日本はこれを1ヶ月とし、1年間は約29.53日×12ヶ月=354.36日と、今の暦と比べて約11日も少なくなります。
月を中心に暮らしていた昔の日本人ですが、もちろん太陽の動きを無視していたわけではありません。
農耕が盛んだった昔は、種まきの時期や収穫の時期の目安を把握するためにも、季節と暦の足並みは非常に重要でした。
もし、太陽と月のリズムがもたらす約11日のずれを放っておいたままにすると……例えば、真冬なのに8月だったり、真夏なのにお正月を迎えてしまったりと、季節と月日が大幅にずれてしまうのです。
これを防ぐために登場するのが閏月。
1年につき約11日ものズレを解消するため、約3年(およそ2.715年)に一度、挿入されていました。
『閏年』では1日増やすだけですが、『閏月』では1ヶ月増やし、その年は1年が13ヶ月=約384日となります。
挿入されるタイミングは、毎回2月に1日増える『閏年』のように決まっているわけではありません。
今年は旧暦5月のあとに閏月が足され、現在、旧暦ではもう一度5月を巡っている最中です。
そんな閏月は、今週7月22日で終わってしまい、次に来るのは2020年の旧暦4月。
閏月最後の週の放送(7月16日放送)では、日本三大祭りのひとつ、京都の「祇園祭」を紹介しています。
祇園祭の最大の魅力である「山鉾」に、ご神体として祀られる「からくり人形」の驚きの技術と歴史が語られています。
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