七十五は不思議な数…神様の数え方に使われる意外な言葉
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5/14(日)朝の「魔法のラジオ」で、岡山県・吉備津神社の大祭「七十五膳据神事(しちじゅうごぜんすえしんじ)」が紹介されました。
「魔法のラジオ」はパーソナリティを務めるフルート奏者の横田美穂が、民俗学者・井戸理恵子の監修のもと、古きよき日本の文化や、暮らしに役立つ情報を紹介しているラジオ番組。
この日は、放送当日の5/14(日)に行なわれた「七十五膳据神事」を紹介。
その名のとおり、七十五のお膳を備える神事で、黒塗りの立派なお膳の上にお米を蒸して丸い円筒形の型にはめて作る「御盛相(おもっそう)」と呼ばれるものや、山の幸、海の幸が並びます。
なぜ「七十五」なのかは諸説あり、ひとつは"最大の吉数が八十一で、その次が七十五である"から。
もうひとつは、"吉備津神社の神座(しんざ)数が七十五で、一膳ずつお供えするため"という説。
また、"村落の数が七十五で、それぞれの村から一膳ずつお供えしていた"という説があると言われています。
そもそも、この"七十五"という数字は不思議な数字。
古事記、日本書紀に出てくる神様の数と一致しているといい、横田は、神様の数え方は"一柱(ひとはしら)、二柱(にはしら)……"と、"柱"と数えることに触れ、「日本やこの土地を守ってくださっている七十五柱の神様をお迎えし、丁重におもてなしし、お食事を召し上がっていただく」という気持ちが込められているのでは、と語りました。
この吉備津神社は、桃太郎伝説のモデルとしても知られており、収録後、番組監修の井戸が
「桃太郎の家来は犬、猿、キジと言われていますが、これは方角を示すもので風水や五行に基づいた戦法。《鬼》のいるとされるウシトラの方角には牛の角にトラのパンツで象徴された《鬼》がいて…」
と語り、横田が驚く場面も。
「きびだんごは《財》を表す隠語で、いわば袖の下を意味している。吉備津の伝説の鬼《温羅》は製鉄の技術を伝えにきた百済(くだら)の王子と伝えられ……」
と、桃太郎の伝説の元となったとされる話を井戸が続けると、スタジオ内で作業をしていたスタッフも思わず手を止め、耳を傾けていました。
なお、「七十五膳据神事」は春と秋の二回行われるそうです。
「魔法のラジオ」毎週日曜5:06~5:16
パーソナリティ:横田美穂