昔は女の子が主役?意外と知らない端午の節供のルーツ【魔法のラジオ】

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4/30(日)放送「魔法のラジオ」で、端午の節供のルーツが紹介された。

魔法のラジオ」はパーソナリティを務めるフルート奏者の横田美穂が、民俗学者・井戸理恵子の監修のもと、古きよき日本の文化や、暮らしに役立つ情報を紹介しているラジオ番組。
この日、番組で紹介した「端午の節供」は、祝日のひとつ「こどもの日」であり、男の子の節供として知られる。

鯉のぼりや五月人形を飾る家庭も多いが、そのルーツは意外なものだった。

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端午の"午"は十二支の《午(うま)》であり、端午とは旧暦五月の最初の午の日をさす。また、午は《火》の動物を意味する。午は"ご"と読むことから、端午の節句は五月五日とされたそうだ。旧暦の端午は梅雨に入りやや冷える時期だったことから、心身の健康のために薬草を取りに行く習慣があったという。その日時というのが、《午》の月の《午》の日の《午》の時間、つまり五月五日或いは五日に最も近い《午》の日の《正午》という《火》のエネルギーの強い時。古くは宮中においても鹿の角や紫草を採取する「薬刈り(やくがり)」という行事が行われていた。庶民の間でも、一般的にヨモギや菖蒲湯で使われるガマの葉などを野山へ採りに行く習慣として根付いていた。

驚くことに、かつては女の子のための節供だったそうだ。
五月は旧暦で"皐月(さつき)"と呼ばれるが、皐月とはそもそも稲を植える月。《サ》という接頭語に稲につく穀霊という意味もあるらしい。稲を植える特別な女性のことを《早乙女》ともいう。
そして、田植えの時期に、穀霊としての田の神を迎えるため、薦(こも)を敷き詰めた納屋にこうした《早乙女》たちが篭って、身を清める儀式もあったという。

それが時代とともに変化し、男の子の成長を祝うようになったのは武家社会を迎えた頃。
端午の節供のひとつの象徴でもある「菖蒲」の音とその葉の形が剣、つまり武家の男子たるものの「尚武」に繋がるとし、桃の節供の女の子の節供に対し、男の子の節供として現在の形に定着していったという。
鯉のぼりは立身出世、五月人形の兜飾りは子供を厄災から守り、家の繁栄を願う意味が込められているそうだ。

またパーソナリティの横田は、端午の節供でカキツバタを飾る習慣があることに触れ、国宝である尾形光琳の絵画「燕子花(かきつばた)図屏風」を紹介。
東京・南青山にある根津美術館では毎年飾られ、横田は幾度となく鑑賞していると語った。今年は5/14(日)まで展覧会が開催される。

この日の放送は、期間限定でradikoタイムフリーサービスで聴くことができる。

魔法のラジオ
4/30(日)5:06~5:16
パーソナリティ:横田美穂

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