7/17(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
中国・台湾・韓国の漁獲量を足しても、日本のピーク時の漁獲量に達しない
6:31~ ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター 須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
漁獲制限をしても日本の漁獲量が増えるということはない?
日本の秋の味覚であるサンマの漁獲量が年々減っていきますが、お隣の中国・台湾・韓国では増えてきているようです。何が起こっているのでしょうか。毎週月曜日は経済ジャーナリストの須田慎一郎さんにサンマの資源について伺いたいと思います。
高嶋) 日本が提案していた漁獲枠を設けようと、過去5年から10年の漁獲実績に基づいて中国・台湾・韓国どうですか? とやろうと思ったら強く反発されて。これは日本の気持ちがよく分かりますが、サンマの漁獲量は減っているのですか?
須田) 減っていて、資源が細っている状況でしょうね。ただ獲り過ぎで減っているのか、それとも資源そのものが地球温暖化、あるいは海中の環境の変化等でサンマそのものが減っているのか。その辺りが明らかになっていません。
高嶋) 私の理解では、南の方から北上してくるサンマを台湾なんかが底を全部さらうようにして獲ってしまう。だから日本のほうに来るサンマが極端に少なくなって腹を立てているのではと。
須田) ただ過去の統計を見ていくと、中国・台湾・韓国の現在の漁獲量を足しても、日本のピーク時の漁獲量に達しません。
高嶋) ということは、日本の提案を聞く気なんてさらさらないですね。
須田) ええ。今まで日本はこれだけ獲っていたのに減ったということは「お前たちが獲り過ぎているのだから漁獲制限をしよう」と。だけど「何勝手なことを言っているんだ?」というのが中国・台湾・韓国の言い分です。
高嶋) 今年もごっそり獲るわけですね。
須田) 相変わらず取るということですけど。ただ、北海道のオホーツク海沿岸の漁業関係者の人にこの件で訪ねたことがありますが、全く違った話を聞きました。数年前からオホーツク海沿岸でかなり大量のブリが上がるようになりました。ブリは南の魚なので、食べ方を北海道の人たちは知らないという状況。それに加えてイカの漁期が一ヶ月ほど遅れ、漁獲量が減ってきています。どうも海中の環境が大きく変化しつつあるのが実態ではないかと。こういった環境の変化が原因でサンマ資源が減ってきている。漁獲制限をしても日本の漁獲量が増えるということはないと思います。もちろん乱獲ということも無きにしも非ずですが。
イワシやニシンも漁獲制限しても増えなかった
高嶋) さみしいですね。イワシにしても何にしても。イワシなんて漁港のトラックからぼたぼたとこぼれていました。
須田) 勝手に拾っても大丈夫でしたからね。
高嶋) 今では貴重な魚になってしまいましたからね。サンマも一緒ですか?
須田) かつてニシンもそうだったじゃないですか。肥料に使っていたけど北海道で全く取れなくなってしまったということで。あれも乱獲が原因と言えませんし、漁獲制限をしても増えません。
高嶋) 僕らはサンマを秋の味覚として非常に大切に食べますけど、中国・台湾などはどうやって食べているのですか?
須田) 中国・台湾に行ってもサンマにお目にかかったことがないですから。その辺りは中国に詳しい富坂さんに聞いてもらったほうが手っ取り早いと思います。
高嶋) 明日聞いてみます(笑) サンマも貴重な魚になっていきます。