さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、8月19日から公開の『ベイビー・ドライバー』を掘り起こします。
イギリスの鬼才エドガー・ライト監督、オリジナル脚本でハリウッド進出!
天才的なドライビング・テクニックが買われ、犯罪者の逃走の手助けをする“逃がし屋”を生業にしている若きドライバー、ベイビー。子どもの頃の交通事故の後遺症で耳鳴りに悩まされ続けていた、彼の傍らには常にこだわりのプレイリストが揃ったiPodがあった。
というのも、音楽を聴くと外界から遮断されることで耳鳴りが消え、さらに音楽にノることでイカれたドライバーへと覚醒し、さらなる運転能力を発揮するのだ。ある日、運命の女性デラボと出会ったベイビーは、犯罪現場から足を洗うことを決意。
しかし彼の才能を手放したくない組織のボスに脅され、無謀な強盗に手を貸すことになってしまう…。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などの快作を世に送り出し、その才能に注目が集まるイギリスの鬼才 エドガー・ライト監督が、満を持してハリウッドでメジャー進出と相成りました。
『ベイビー・ドライバー』は自らのオリジナル脚本から監督を手がけた注目の一作。
ジャンルで言うならば、アクション?ラブロマンス?それともミュージカル?
観る人すべてをゴキゲンにしてくれる、アドレナリン全開のエンターテインメント作品です。
本作のいちばんの特徴は、ストーリー全体がベイビー自身のサウンドトラックのようになっていること。
彼が聞く曲に合わせて物語が展開していくという、ユニークな構成になっています。
エドガー監督によると、まずは本作で使用したい楽曲をセレクト。
その楽曲から受けるインスピレーションを元に脚本を作り上げたとのこと。
決して、アクションシーンだからテンポの速い曲を…ということではなく、すべてのシーンにおいて物語と音楽がリンクしているので、その結果、主演のアンセル・エルゴートもヒロインのリリー・ジェームズも、脇を固めるジェイミー・フォックスやエイザ・ゴンザレスも、各シーンの音楽のリズムに合わせて芝居をすることに。
これまでの映像表現ではお目にかかれなかった新感覚な作品となっています。
本作を彩る全30曲は、ロック、オルタナティブ、ソウル、ジャズ、ダンスと様々なジャンル、そして幅広い年代から選ばれたもの。
サウンドトラックをしっかり聴き込んで映画館に足を運ぶも良し、映画を観終わってからサウンドトラックとともに疾走感に浸るも良し。
極上の音楽とともに、ベイビーのドライビング・テクニックに身を任せてみてはいかが。
ベイビー・ドライバー
2017年8月19日から新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督・脚本:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、リリー・ジェームズ、エイザ・ゴンザレス、ジョン・ハム、ジェイミー・フォックス ほか
公式サイト http://www.babydriver.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/