佐藤優 水面下の交渉で北朝鮮に核兵器保持容認か
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8/24(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
トランプ大統領「金正恩氏は我々に敬意を払い始めている」
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
対話に進展が見られるも北朝鮮はSLBM開発の可能性も
23日にアリゾナ州フェニックスで行われた集会で、トランプ大統領は北朝鮮情勢について触れ「金正恩委員長は我々に経緯を払い始めている」と述べ、交渉の進展を示唆しました。またティラーソン国務長官も記者会見で「一定の対話への道筋が見えて来たのかもしれない」と述べました。
森田)23日に行われましたフェニックスの演説の中では北朝鮮情勢にも触れまして、この中でトランプ大統領は「金正恩朝鮮労働党委員長は我々に敬意を払い始めている。多分何か前向きなことが起きるかもしれない」と述べました。またティラーソン国務長官も別の記者会見で「一定の対話への道筋が見えて来たのかもしれない」とこのように述べています。
ですが朝鮮中央通信は23日、金正恩氏が弾道ミサイルの固体燃料エンジンや弾頭の増産を指示したと伝えています。
また金正恩氏が視察した国防施設には水中戦略弾道ミサイル「北極星(プッククソン)3号」と書かれた図面がありまして、どうも新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を開発している可能性が指摘されているのですね。
トランプ大統領は北朝鮮の核保有を容認する?高嶋)何かちょっと調子付いているなと思ったのは、北朝鮮の金正恩委員長に対して「どうやらアメリカに敬意を払い始めている」というよな、あれは錯覚なのではないですか?どうなのですか?
佐藤)いや、水面下で交渉をやっているからですよ。その交渉で旨い感触があるな、ということですね。
というか、アメリカは“降りる”のでしょう。すなわち核兵器を認める。まさに“パキスタン化”です。中距離弾道ミサイルまでは容認する、ただしアメリカに到達する長距離弾道ミサイルだけは認めないと。大陸間弾道ミサイルだけは絶対に駄目だと。そのニュアンスが出て来たわけでしょうね。だから北朝鮮の方も少しトーンを落としているわけですよ。高嶋)だけどそれでOKになっちゃうと今度北朝鮮はもっとわがまま言い放題になりません?
佐藤)わがまま言い放題ですよ。アメリカに対してはわがままを言わないけども、日本全域は北朝鮮の核ミサイルの標的の中に入ると。そうするとわがまま言い放題になるでしょう。
原発依存国は核保有が難しい 今後の国防の課題とは高嶋)我々の感情としてはこの辺の折り合いがつかないじゃないですか。
佐藤)だからトランプからすると「お前は我慢しろ」と。アメリカには飛んで来ないわけだから。
高嶋)韓国もですか?
佐藤)韓国も我慢しろと。「俺の為に我慢しろ」と、こういう話でしょう。そうすると日米同盟の根幹、この日米同盟で良いのかという議論がワンクッションを置いて日本から出て行きますよね。
高嶋)韓国で核保有の話が出て来ているでしょう。
佐藤)ただ韓国は、これは日本もそうですけど、原発が一定程度あると核保有ってできないのですよね。核拡散防止条約(NPT)に入っている国というのは、もし「核兵器を開発する」という意図を表明すると、その瞬間に燃料を元々持っている国、すなわちアメリカに燃料を返さないといけないですから、そうしたら原発に一切依存できなくなる。そうすると日本の場合は確か今の政府のエネルギーミックスでは、今原発は止まっていますけど、2割程度が原発になるとされていて、2割のエネルギーが無くなるということは、これはもう産業崩壊ですよね。だから韓国も日本も今のNPT体制がある限りは核開発ができないのです。
高嶋)けっこう日本は難しい立場ですね。
佐藤)難しい立場です、ものすごく難しい立場ですよ。ただ逆に戦争が始まった場合には200万人以上死ぬような大戦争と、朝鮮国連軍の後方基地は横田にありますから、日本も戦場になります。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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