あなたの会社は大丈夫?~自家発電設備の危険な実態
公開: 更新:
9/4(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
定期点検がなされていないその理由とは?
6:31~ ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター 須田慎一郎(ジャーナリスト)
大阪の吹田で34,000件規模の停電、11時間強にも及ぶ
どの施設や高層ビルにも、いつ起こるかわからない災害や事故に備えて自家発電設備というものがあります。年1回の定期点検が義務付けられていますが、高コストで点検するための機械が足りず、定期点検が行われていないのが現状です。毎週月曜日のコメンテーター、ジャーナリストの須田慎一郎さんに詳しくお聞きしましょう。
高嶋)先月の23日に大阪の吹田で34,000件の非常に規模の大きい停電がありましたよね。災害が起きるとライフライン云々と言われますが。原因は地中の送電線の破裂だったそうです。老朽化ですか?
須田)なぜ破裂したかはまだよくわかっていないのが実態です。ただ破裂したことによって、1、2時間で復旧すればまだしも、11時間強も停電状態が続きました。かなり長時間にわたって停電が続きますと病院や高層ビルだとかのエレベーターが止まってしまいますから。
高嶋)日常の生活だって冷蔵庫がみんなやられちゃいますよね。
須田)そうですね。他にも飲食店も大変なことになりますよね。そういった状況に備えて、本来なら自家発電設備があるから心配することはないよと。ただ取材してみますと、自家発電設備は1年に1回の定期点検が義務付けられていますが、ほとんどのケースで定期点検が行われていないことがわかってきました。
高嶋)停電すると自動的に自家発電に切り替わるようになっているわけですよね? 定期点検がきちんとされていないということは、うまく作動しなかったところもあるということですか?
須田)その実態がよく見えていないのが実情です。定期点検は自主的にやればいいというわけではなくて、法令点検という形で法律で義務付けられ場合によっては地元消防署の立ち入り点検が行われていますが、その立ち入り点検すらあまり適切に行われていない。
大きなコストがかかり、数少ない自家発電設備の点検高嶋)なぜそんなにもずさんなのですか?
須田)これはいろいろな問題がありまして、まずこの点検をするためにかなり大掛かりな設備が必要です。
高嶋)点検するための機械が必要だと。
須田)いったん電気は通っていますが、迂回させて電気を通して独立させて、自家発電設備に負荷をかけるつもりで実際にエレベーターを動かしたり冷蔵庫を動かしたりします。それなのに負荷をかけずに点検をやっているものだから適切な点検とは言えない。あるいは不適切な点検すらやっていないケースが数多いです。
高嶋)その点検をやっていなかったことが、11時間も停電していたことに繋がったのですか?
須田)いや、そうではありません。その間にきちんと自家発電システムが動いていたかどうかがよくわかりません。先程の高嶋さんの質問に戻りますが、なぜ点検ができないかというと設備が大きいため、ビルの屋上に自家発電設備があるとそこに持って行くのが大変で、ちょっと大きなビルだと1回の点検で数百万円かかります。
高嶋)そんなにかかりますか。
須田)そしてもうひとつ重大な問題があり、そもそも点検するシステムが日本国内に数少ないのです。実際に点検をしようとしても、現状の対応ではおそらく無理でしょうね。
高嶋)みんなに「点検をしてください」といわれたら、とてもじゃないけどお手上げになってしまうと。
須田)回っていかないという状況にあります。とはいっても自家発電設備が動くかどうかはあまり注目されていないものですから、大規模停電が起きたときに「本当に動いたの?」というチェックができない。そして東日本大震災のときに大丈夫だったのかというのは、あらかた津波に流されてしまったためにこれも動いているのかそうでないのかよくわからなかった。
高嶋)停電して一番怖いのは病院ですよね。そんなお寒い状況ですか。大阪に限った話ではありませんよね?
須田)限りません。全国の話です。このニッポン放送のビルもちゃんとやっているのでしょうか。
高嶋)どこでも状況は同じでしょうね。
須田)熊本の地震のとき、NHKの熊本支局の自家発電設備が動かずに数時間止まってしまったということがありましたからね。
高嶋)なるほど。停波という危機もあるということですね。どの仕事でもそんな危機を孕んでいると。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00