森永卓郎が斬る!超格差社会を生き抜くための3つの経済の見方
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FM93AM1242ニッポン放送 月~金 8:00~11:30「垣花正とあなたとハッピー」
今日9/6(水)「9時の聴きどこ!」は9月1日に発売された森永卓郎さんの著書「森卓77言~超格差社会を生き抜くための経済の見方~」の中から厳選された3つのコラムをご紹介します。
「森卓77言」から厳選のコラム
その1:ミニカーから見る中国の「一帯一路政策」
ミニカーの主産地の変遷
私はミニカーを3万台くらい持っていて、ここではミニカーを使って解説をしています。ミニカーというのは世界経済を表す代表的な商品なのです。賃金が安くて技術力が高いという相矛盾する条件を満たした国でしか作られないのです。
その主産地の変遷は、60年代→ヨーロッパ /70年~80年代→日本 /90年~10年代→中国 /2010年→ベトナム
“世界の工場”としての立場をベトナムに奪われ焦った中国
これは安い人件費を売り物に“世界の工場”として輸出して成長してきた中国にとって存亡に関わる問題。中国は“世界の工場”としての立場をベトナム、更にはミャンマーなどに食われるという状況になってきて中国は焦ったわけです。「このままじゃ成長できないぞ」と。
途上国から利権を取り、途上国の“経済植民地化”を目論む中国
そこで習近平政権が打ち出したのが「一帯一路構想」。これはヨーロッパと中国を結ぶ陸のシルクロードと海のシルクロードで全体のこの地域の繁栄を支えようというのが表向きの綺麗事なのですが、実際にやろうとしているのはそういったところにどんどん中国の援助を出して、日本が援助を出すときは人が良いので純粋な援助なのですが、中国の場合はそこにしっかり利権を作ってその施設の利用料から自分のところに収入が入って来たり、あるいは自分のところのプラントや製品をどんどん輸出できたりという一種の中国の“シルクロード地域経済植民地化計画”というもの。
「森卓77言」から厳選のコラム
その2:「実家の処分をどうするか」
なかなか処分できない親の家
今、日本中でどんどん空き家が増えています。このまま放っておくと家の3割が空き家になってしまう。
なぜかというと、少子化が進んでいて、1人っ子だと結婚した場合は親の家が2つある。やがて親が亡くなると片方は要らなくなってしまいます。特に都心に人口が集中しているので、田舎の家が要らなくなるのですが、自分が生まれたところや親が住んでいたところというのは人情として中々処分ができない。
大原則は「使わない家は持たない」
これを放っておくと防犯上も防災上も大変な問題になりますし、「空き家対策特別措置法」というのが2015年にできて、空き家を放置しておくと、固定資産税は今6分の1に宅地の評価が減免されているのですが、その減免が無くなる。更には強制的に取り壊しになって、取り壊しは役所がやりますが、費用は全部本人持ちという仕組みなのです。
空き家が増えていくと、経済のメカニズムはシンプルで、供給が増えると値段が下がる。
だから使っていない家はさっさと処分するというのをしないと後から大変なことになります。
「森卓77言」から厳選のコラム
その3:「ショーンKの何が問題か」
当たり前のことだけを言う安全なコメンテーターは都合がいい
ショーンKさんは学歴詐称問題で責任を取って今はメディアにいらっしゃらないのですが、学歴詐称はもちろんいけないのですが、私はもっと問題だと思うのは、いろんなメディアがちやほやしていっぱい起用してきたということなのですね。
何故起用したのかということなのですが、ショーンKさんのコメントは的確であるということ。何が的確かというと当たり障りのないことばかりを言っていたということ。これはスタッフにとってはすごく良いわけですよ。何故かというと苦情の電話とか脅迫の電話とかが入らないからです。だからスタッフは楽なのですよ。
批判のないコメンテーターは存在価値がない
でもそれはスタッフにとっては適切な発言なのですが、もっと芯を食ったガツンという批判をしなかったらメディアの存在意義は無いと私は思うのです。
それでクビになる可能性もあるのですけれども、見た目が悪くても専門性を持った人、例えば中瀬ゆかりのような人が正しいコメンテーター像なのですよ。
本当の専門家だったら常識とは違うことを言うはずなのです。
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