【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第275回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、9月16日公開の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』を掘り起こします。
奥田民生の珠玉のナンバーに乗せて贈る、ポップな青春&恋愛ストーリー
ロックバンドUNICORNのフロントマンとして、またソロアーティストとして、日本のロックシーンを牽引し続けるレジェンド、奥田民生。どこまでも自然体でゆる〜く、そんな姿が渋くてカッコいい。その飄々としたスタイルは音楽シーンに影響を与えるだけでなく、世代を超えて多くの人の支持を得ています。
そんな奥田民生に憧れる主人公の恋と地獄を描いた、人気コラムニスト渋谷直角のサブカルコミックを『モテキ』の大根仁監督が実写映画化。抱腹絶倒のラブコメディが誕生しました。
“力まないカッコいい大人”奥田民生を崇拝する33歳、コーロキ。オシャレなライフスタイル雑誌の編集部へと異動となり、慣れない高度な会話に四苦八苦しながらも、おしゃれピープルに馴染み、奥田民生みたいな編集者を目指していた。そんなある日、コーロキは仕事で出会ったファッションプレスの美女、天海あかりに一目惚れ。あかりに見合う男になろうと仕事に精を出し、嫌われないようにデートにも必死になるが、やることなすことすべてが空回り。あかりの自由奔放な言動に振り回され、コーロキは身も心もボロボロになってしまう。
コーロキはいつになったら、奥田民生のような“力まないカッコいい大人”になれるのだろうか…。
「愛のために」「マシマロ」「CUSTOM」など、奥田民生の珠玉のナンバーに乗せて主人公・コーロキの心情を映し出す本作。コーロキを演じるのは、自らも“奥田民生になりたいボーイ”だと公言する妻夫木聡。
対する“狂わせガール”役に水原希子、さらに松尾スズキ、新井浩文、安藤サクラ、天海祐希、リリー・フランキーと邦画界を代表する豪華俳優陣が一癖も二癖もあるキャラクターに扮し、その怪演ぶりも楽しみのひとつ。
音楽映画としての魅力を最大限に引き出しながらもラブコメディとしての世界観もきちんと構築している、軽やかで痛快な大根監督の演出が冴えています。
中でも目を奪われるのが、水原希子の“狂わせガール”ぶり。なんの悪気もなく男たちを夢中にさせる転身爛漫かつコケティッシュな悪女、見事なはまり役です。
そして妻夫木聡のナヨナヨとどん臭い“狂わされ”っぷりも、これまた愛らしく。このコンビだからこそ本作が成立していると言っても過言ではないでしょう。
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
2017年9月16日から全国東宝系にて公開
監督・脚本:大根仁
原作:渋谷直角「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」(扶桑社刊)
出演:妻夫木聡、水原希子、新井浩文、安藤サクラ、江口のりこ、 天海祐希、リリー・フランキー、松尾スズキ ほか
©2017「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会
公式サイト http://tamioboy-kuruwasegirl.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/