肥大化した国際連合の抱える問題点とは?

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9/22(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

国連中心で進めるしかない日本
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

肥大化した国際連合の抱える問題点とは?
肥大化、官僚化し、効率が悪くなった国際連合

北朝鮮問題などを巡り、国際連合は例年にも増して世間からの関心を集めています。
国際連合について、元外交官である宮家邦彦さんに詳しく伺います。

高嶋)国連というのは、あまり評判が良くないように聞こえてくるのですが、どう捉えたらよいのですか?

宮家)「1945年の第二次世界大戦の反省で、国際主義で普遍主義で……」という話だったのですが、実際にはほぼ同時に冷戦が始まって結局、ソ連や中国が入ってきたけど、あの人たちが拒否権を持つことにより、安全保障理事会は事実上、機能しなくなってしまった。
ところが、文化や経済などの、政治安全保障以外のものはある程度動く。では上手く行っているかというとそうではなく、今度はどんどん肥大化していくわけです。「やらなきゃいけないことがたくさんある」と言い出したら、きりがない。日本の政府と同じです。「これをやれ、あれをやれ」と言われたら、「やらなきゃいけないのかな」と思うじゃないですか。それで、金も人もいる。
英語をできる人材が必要だということで、途上国の人がどっと入ってきた。彼らが不正をしているとは言いませんが、やはり肥大化して、官僚化することで効率が悪くなる。人は増えるけれど、仕事は何をやっているのかよく分からず、金はどこに使われているのかよく分からない。こういうことが起きているのではないかと思います。

高嶋)トランプ大統領が、「国連予算が2000年以降、140%増加した。この投資に沿った結果は見えていない」と指摘しています。しかもアメリカが一番多く払っているわけです。22%ですね。


国際連合も日本の霞ヶ関も、問題点の根本的は同じ

高嶋)EUもそうでしたが、そのような組織ができると必ず官僚化や肥大化して問題になる。宿命ですかね?

宮家)官僚組織というのは「前例を踏襲して、自分がトップである間は自分の権限や予算を失いたくない」というのが基本的な考えですから。そういう人たちが何十人、何百人も集まったら、何も動かなくなるに決まっています。

高嶋)霞ヶ関も国連も、同じじゃないですか。

宮家)もちろんそうですよ。官僚主義だもの。自分の予算や権限を失ったら、何のためにやったのか分からないじゃないですか。それがルールなのだから。

高嶋)否定する人はいないのですか?

宮家)肥大化する官僚組織をチェックできるのは、国会だけですから。そのために政治家がいるはずなのだけど、族議員もできてしまったし、なかなか上手くはいかない。国連は同じことを、大規模でやっているのです。

国連のトップには、主要国以外の人間を選ぶのがセオリー

高嶋)国連のトップの事務総長。今度はポルトガルのグテーレス氏ですね。あれはなぜ、言い方は悪いですが、小規模な国がトップに就くのですか?

宮家)アメリカや中国、ロシア等に任せたら、何をするか分からないじゃないですか。そういう意味では、人格はどうなのか分かりませんが、まず主要国だとギラギラしてしまうので、そうではない国。たとえば、最初はビルマのウ・タント事務総長でしたね。彼は人格者でした。中程度の国で立派だと思われる人たちを選んできたのが、実態だと思います。

高嶋)最後にお伺いしますが、国連にはやはり意義はあるのですか?

宮家)そりゃあ、ありますよ。日本は国連中心主義でやるしかないのだから。

高嶋)では、安倍さんの演説も効きましたか?

宮家)あれも良かったのではないでしょうか。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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