「希望の党」小池代表~出馬の可能性は高い

By -  公開:  更新:

9/29(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

安倍政権にとってはこれまでにない戦いになる
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

前原誠司

【政治 民進党両院議員総会】両院議員総会で挨拶する前原誠司代表=2017年9月28日午後、東京都千代田区の民進党本部 写真提供:産経新聞社

民進党は事実上の解党~小池知事「民進党出身者の公認については個別に判断」

民進党は、昨日の両院議員総会で前原代表が提案した、希望の党への合流を決定しました。事実上の解党となります。

一方、希望の党の代表を務める、東京都の小池知事は、民進党出身者を、衆議院選挙の公認候補者にするかどうかについて、「憲法改正等への姿勢によって、個別に判断する」という考えを示しました。

民進党が、希望の党への事実上の合流を決めた、昨日午後の両院議員総会は、およそ1時間半行われたのですが、事実上の解党がテーマだったのにも関わらず、低調な議論に終始し、荒れ模様の会合を覚悟していた民進党の幹部は、「拍子抜けだった」とも述べています。出席者の1人は、「みんな新党に行けると思っているし、新党の方が得だと思っている」と、このよう議員心理を話していました。以下は議員総会での、前原代表の挨拶です。

前原誠司代表)これは、「他党に合流する」ということではありません。1つは、政権交代を実現する、もう1度大きなプラットフォームを、我々自身が作ることなのです。そのために、名を捨てて実をとる。好き勝手な安倍政権を終わらせるためなのです!

この合流を巡り、希望の党の細野豪志元環境大臣は、テレビ番組で、「内閣総理大臣ら、三権の長を経験した方々は、ご遠慮いただく」と述べ、「菅元総理大臣、野田前総理大臣の2人の公認申請は拒否される」という見通しを明らかにしています。

これについて、前原代表は別のテレビ番組で、「細野さんは将来のリーダーだ。包み込むような包容力を持って欲しい」と語った一方で、「小池さんとの間で、具体的に「この人は駄目」という話は、一切していない」とも述べています。

希望の党代表の小池東京都知事は、昨日、日本記者クラブでの記者会見で、次のように述べています。

小池百合子代表)「希望の党で戦いたい」という申し込みがあって、初めて候補者として選ぶかどうか、ということでございますので、「合流」という考え方にはそぐわないと思っています。

「憲法改正や、安全保障政策への姿勢によって、個別に判断する」という意向も示しています。民進党の前原代表は、「誰だったら勝てるか、調査結果をもとにやるのも1つの方法ではないか、これから相談したい」とも話しています。

一方、安倍総理大臣は、この民進党による希望の党への合流について、昨日、記者団に次のように述べました。

安倍総理大臣)政策抜きに、丸ごと合流するというのは、他党のことをとやかく言うべきではありませんが、大変驚いています。

その後の東京都内での街頭演説でも、安倍総理は小池さんを念頭に、「ブームから希望は生まれない」という風に牽制もしました。

自民党内でも様々な声があり、「看板の掛け替えのようだ」と批判の声も出ているのですが、この人はどう見ているのか? 自民党の前衆議院議員、東京17区選出の、平沢勝栄さんに伺います。

希望 小池百合子

【政治 小池都知事会見】日本記者クラブで会見した小池百合子都知事が書いた「希望」という色紙=2017年9月28日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

希望の党は自民党への不満票を吸収してしまう強敵となる

森田解説委員)平沢さんは、東京の選挙区ということで、都議選も経験されたわけで、今回の小池さんが前面に出てこられたことを、どう見ていますか?

平沢)強敵、ですね。この前の都議会の選挙を見ても、小池さん、そして「都民ファースト」というだけで票が集まりましたから。何故これだけ強敵になるかというと、自民党と同じ「保守」なのですよ。なので、自民党の不満票を吸収してしまうのです。今回も同じパターンになるので、「自民VS希望」という構図になり、自民党に不満を持っている人たちの票が全部希望の党に流れる可能性があるのですよ。その意味では、大変な強敵になると思います。


安倍政権以降、これまでで最も厳しい選挙になる自民党

高嶋)いま平沢さんが仰ったように、本当に、しっぽが胴体を振り回しているような感じでね? 普通だったら、小池さんの方が頭を下げて民進党に入れて貰う、というのが当たり前の図だと思うのですが、それがそうではなくなっている。
つまり、選挙の怖さというのはそこに潜んでいて。たとえば昔の小泉さんのような、1人の人気者。それで風が強く吹くと、何か知らないけれど、世論がほとんどそちらへ向いてしまう。この現象が最も怖いのだろうと思うのですが、そのような気配は感じますか?

平沢)感じますね。この間の都議会選挙がまさにそうでした。なので、具体的に誰、ということではないですが、実績も何もない、いままでなら、他党から出ていたら絶対に受からない人が、「都民ファースト」の看板を掲げたら、あっという間に高得票で当選しています。

高嶋)もう1つ聞きたいのですが、安倍総理は絶対に今回は内心では楽勝のつもりで、解散に踏み切ったような気がするのですが、一寸先は闇で、当てが外れてしまったような、そういう印象はありませんか?

平沢)選挙に負けたら解散ですから、当然、勝てると思って踏み込んだと思いますが、結果的にその後にいろいろなことが次から次へと起こっていますが、これは誤算だと思います。

高嶋)昨日の渋谷の演説でのハイトーンの声を聞いていても、まるで公示直後のようなすごい力の入れようでしたね。

平沢)それはやはり、今回の選挙は、これまでの中で最も厳しい選挙になると思います。相手がよく見えないのです。漠然としていて、ただ人気だけが凄い。そんな相手と戦わなければいけないのだから、こんなやりにくい選挙は初めてですね。

高嶋)ありがとうございました。

前原誠司 枝野幸男

【政治 民進党両院議員総会】民進党の前原誠司代表(左)に耳打ちする枝野幸男代表代行=2017年9月28日午後、東京都千代田区の民進党本部 写真提供:産経新聞社

無党派層をどう取り込むか

高嶋)宮家さん、率直なところ、どうですか。

宮家)やはり、小池さんの力を過小評価した部分があるな、と思ったのが1つ。それから、前原さんがあんな決断をするとは、驚きました。しかし、このブームだけで勝てるわけではなくて、必ず対抗措置が必要なのですが、そこも平沢さんに伺いたかったですね。
結局は、どこか日本国内に閉塞感があるのですよ。いろいろな事件があったけど、それよりも、何より、経済が必ずしも上手く回っていない部分があって。そして、低賃金で頑張って、歯を食いしばっている人たちがいるわけです。そういう人たちの気持ちという者が、どこかで票、エネルギーになっていく。それを上手く持って行った方が勝ちですよね。

高嶋)いま、無党派層は何%くらいいるのですか?

宮家)約40%いると言われています。

高嶋)最低でも40%いる。

宮家)そこを上手く取り合う、ということになるかもしれませんが、いままでのやり方とは違う選挙戦になるでしょうね。

小池百合子

【政治 小池都知事会見】日本記者クラブで会見する小池百合子都知事=2017年9月28日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

小池知事の課題は選挙に出た際のデメリットをどうするか

高嶋)小池さんは、細工は流々でしょうか?

宮家)彼女は、やはり周到に考える部分と大胆に、一気に決める部分の両方を持った凄い政治家だと思うのですよ。中身があるかどうかは別として、この部分は、政治家ですから、良いと思うのだけど、どこまで計算尽くか、という部分になると、やはり出たとこ勝負な部分があるのではないでしょうか? ただ、その時々の瞬間的な判断が、いまのところ正しい、ということだと思います。

高嶋)選挙に出ると思いますか?

宮家)私は出ると思います。ただ、出ると、当然マイナスがあるわけですので、それをどうするか? それを自民党が待っていますからね。小泉さんに言わせて、けしかけているわけですから。だから、彼女が簡単に出るかな、と。理由はちゃんと付けなければいけないと思います。

高嶋)小池さんとしては、ここまでずっと作り上げてきて、それでもし自分が、「都の仕事に専心する」と言って、もし政権交代が起きてしまったら、議員ではないので、総理になれない。これは大失敗になりますよね。

宮家)でも、そうしたらまた、信を問うて、やるのではないでしょうか? 彼女が出なければ、やはり選挙の形は変わりますね。

高嶋)小池百合子さんが都知事に専念で、都知事の仕事もスムーズにするために、「国政は決定が遅いからもっとスムーズに!」と言っても、やはり自分で旗を振らないと、迫力がないですよね。

宮家)やはり、わらじは1足ですよ。2足は難しい。

高嶋)選挙に出ると思いますか?

宮家)私は出ると思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top