10/3(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
民進党分裂で「これでよかったのよ」
7:10~ やじうまニュースネットワーク:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)
枝野代表代行が新党『立憲民主党』の結成を表明
民進党の枝野幸男代表代行が昨日結成を表明した新党『立憲民主党』には菅直人元総理大臣や長妻昭選挙対策委員長など希望の党に参加しないリベラル系の議員が参加する意向です。民進党は分裂し、今月22日に投票が行われる衆議院選挙は安倍政権と希望の党、それに立憲民主党をそれぞれ中心とする三極がそれぞれ対立する構図が固まりました。
衆議院選挙の公示まで1週間に迫っていますが、民進党は完全に分裂しました。民進党の枝野代表代行が昨日記者会見をし、新党『立憲民主党』を結成すると表明しました。枝野さんの記者会見です。
枝野代表代行)残念ながら希望の党の理念政策というのは、私たちが積み重ねてきたものとは違うものだと判断せざるを得ない結論になったということでございまして、それまでのプロセスにについて今何か申し上げるつもりはありません。
森田)立憲民主党の代表には枝野さんが就きまして、菅元総理や長妻選対委員長、それから赤松広隆元衆議院副議長らが民進党にすでに離党届を出しております。今日午前に新党設立の届け出を行うということです。比例代表にはすべてのブロックでの候補者擁立を目指すということでその他、野田佳彦前総理や岡田克也元幹事長といった無所属で立候補する民進党出身者との連携にも枝野さんは期待を示しております。とくに東京の小選挙区では海江田万里元代表ら新人を含め11人が新党に参加する意向というふうに見られております。枝野さんは当初は希望の党への合流を楽観していたようです。連携を図る連合が支援するリベラル系を切り捨てられないと踏んでいたようですが、希望の党代表の小池百合子都知事の排除路線が強まるばかりで仲間を助けなければというような焦りが募ったと見られております。枝野さんは民進党の公認で出馬できないかと前原誠司さんに求めましたが、前原さんは「希望の党と戦うことになる」ということで認めなかったということです。また小池代表は周辺に「これでよかったのよ」と本音を漏らしたとも伝わっています。
一方で希望の党は昨日第一次公認を発表する予定でしたが、民進党との調整が難航しまして今日にずれ込む見通しとなりました。小池代表は政権交代のために過半数233人以上の候補者擁立を目指す考えを昨日明確にしております。希望の党の若狭勝前衆議院議員も昨日次のように述べております。若狭前衆議院議員)民進党側の人たちを人数としてカウントしていくと政権交代ということは十分に可能になるのではないかというふうに現在は思っております。
森田)希望の党側ですでに92人が内定、民進党側も100数十人のリストを作っていて今日発表する方向です。一方で自民党は衆議院選挙で掲げる政権公約を昨日発表しまして、憲法改正を六本柱の重点項目のひとつに位置付けまして、安倍カラーの政策が鮮明になっております。
排除の論理を前面に出した結果、希望の党の風向きが変わる
高嶋)今朝の新聞で、小池さんは出馬を100%しないと。
森田)そうですね。各新聞のインタビューに答えています。
高嶋)毎日新聞の小さい記事に細川護熙さんのことがありまして。細川さんが首相のころに番組をやっていまして、細川さんに来ていただいて集中的に何をしたいのかというのを特番でやったことがあります。品が良すぎて迫力を感じませんでしたが、政権を取りましたよね。その細川さんが新聞で「同志として小池さんを手助けしたいと考えていたが、排除の論理を振り回し戸惑っている。公認するのに踏み絵を踏ませるというのは何ともこざかしいやり方で、寛容な保守の看板が泣くのでは」と。さらに自身が日本新党を結成したことを振り返り「政権交代という大目標に立ち向かうときは、怒涛のように攻め立てなければならない」と。だからあのときの心の中はそのくらいの怒涛だったのかと思いましたね。そして「首相を目指すのであれば保守やリベラルにこだわらず、器量の大きい人でいてもらいたい」と言っています。
富坂)全くその通りで、依然として日本は浮動票が多いです。それをどう取り込むかというのは、やはり排除の論理は駄目だと思います。公示がされていない状況でいうのもおかしいですが、希望というものに吹いていた風が排除の論理を前面に出した瞬間に消えたと思います。逆に枝野さんのほうがわかりやすくなったと。
高嶋)確かにね。
富坂)そういう意味でいうと、政治は調整ですよね。門前払いは違うのではないのかと私は思います。
小池百合子の感じが悪い
高嶋)ちょっと小池さん感じが悪いよねという側面と、何かにつけて若狭さんが出てきて。そのうち判決でもいうのではないかと。なぜそこまで上から目線なのか。民進党のベテラン議員が無所属で立つ人とか枝野さんと一緒にやる人とか、そこには男の面子や沽券がある。野田さんが「先に出て行った人の股の下を潜るつもりはない」と言ったでしょう? ああいう言葉は年配者には響くと思います。小池さんの扱い方が悪いですから。かつて中曽根康弘さんがお歳だからもう参議院選挙に出ないでほしいと言いに行った小泉純一郎元総理は非常に丁重だった。そういうところが大先輩の心を動かしました。小池さんが非常に居丈高でこちら側の論理だけで相手を振り回して尊敬の念がないことが気になりますが。森田さんはどうですか?
森田)おっしゃる通りだと思います。結局、野党同士が潰し合うことになってしまいますので小池さんのためにもならないと思います。
高嶋)共産党も希望の党と手を組みませんよね。そうすると枝野さんとは組む、社民党も多少の力にはなれるかもしれないというのがあり。これはこれで弾もそろっているにはそろっている。
富坂)小池さんのいう政策が、安倍政権の亜流になりますよ。奪取というか。人数だけでしょう? という話になりますよね。
小池代表は首班選挙のキングメーカーを狙っているのか、それとも初の女性総理か
高嶋)小池さんの100%出馬しないことに対して出ているのは、総選挙は政権政党を選ぶ選挙であると。こっちが勝った場合は誰と、いつも鮮明になっています。日本の場合は野党が弱いからあまりはっきりは出てきませんが。今回は小池さんがということになると、小池さんが議員にならなければいけませんよね。だけど、どうやら勝ち目がなさそうな目が出てきたので、その辺を伺っていたような節があって。それも感じ悪いわよねと思うひとつの要因ですが。
富坂)ベテラン議員で「ここがラストチャンスだ」と発言されている方もいて。私も攻めるときは攻めるという感覚がないとチャンスを逃す気がします。
高嶋)小池さんの一番の武器は世論の風ですよ。自分に風が吹いて、それが突風となって選挙の票になって現れると。これが彼女の一番の武器であり、周りの人たちはそれが一番怖いわけです。これでどうなると思いますか? 選挙後の首相指名選挙への首班指名に対して読売新聞が「ふさわしい人はいっぱいいる。(衆院選の)結果を見て判断する」と小池さんが言っています。要するに小池さんは自分で衆議院議員にはならないけども党の代表であるから、自分がこの人を首班すると。
富坂)キャスティングボードを握るような立ち位置をこの選挙でつかんで、キングメーカーとしての役割をまず発揮しようということですけど。「え?」という感じですよね。それが狙いですかと。
小池百合子が出馬するかどうかは10日までわからない
高嶋)最初におっしゃったように風の吹き方が世論の動向によって多少風向きが変わったと。もしかしたら小池さんもちょっと当てが外れたかなという側面がなきにしもあらず。政界の一寸先は闇ですから。この後どんな事態が考えられますか?
森田)小池さんは都議会が終わった5日から10日の公示までの間に本人が出馬するのかどうか。ここが一番のポイントになってくると思います。
高嶋)今日の新聞では出ないと言っていますが。
森田)まだわからないと思います。
高嶋)それによって投票行動も変わってきますから。小池さんが出るから1票入れる人もいるだろうし、小池さんが出ないなら入れない人もいるだろうし。そこが一番の注目点ですね。10日に公示、22日に投票です。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00