口座開設お断り!~銀行で何が起きている?
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12/11 (月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
貯金するのに手数料を取られる時代は近い?
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
企業・個人を問わず、銀行に預金を断られるケースが増加している
最近、銀行口座の開設を断られる企業や個人が増えてきている。お金を預かることが仕事である銀行で、一体何が起こっているのか。この先、銀行はどうなっていくのだろうか。
高嶋)最近、客が銀行に口座の開設を断られることが増えているそうですが、これは本当ですか?
須田)そうなのですよ。企業も個人も、断られるケースが出てきています。私も不思議に思いました。だって、銀行というのは「お金を預かる」が仕事じゃないですか。
高嶋)それで儲けていますからね。
須田)昔はお金を預けたらむしろ喜んでもらえたのに、どうして最近は迷惑がられるのか不思議に思い、調べました。
高嶋)口座開設すらダメ、と。
原因はマイナス金利
須田)1つだけ難しいキーワードをご紹介させていただきたいのですが、銀行の経営を見ていく中で、「集めた預金の何%のお金を貸しているのか?」というのを「預貸率(よたいりつ)」と呼びます。銀行というのは、お金を預かって貸すのが仕事ですから、普通は100%貸すべきものだろうな、と思っていました。
しかし、驚いたことに、2017年10月の最新データでは大手銀行、メガバンクでの預貸率は51.2%なのですよ。高嶋)半分しか貸していない?
須田)そうなのです。これは1年前だと60.1%ですから、約9%減っています。これに対して地方銀行は、直近の数字では73.9%でした。これでも頑張っている方だと思います。
高嶋)地銀は都市銀行よりは高いのですね。
須田)それで、何故こんなことになっているのか調べてみると、これは預金を預ける側。つまり個人や企業がそうですが、企業はいま史上空前の好業績を上げていまして。内部留保とか、ものすごく沢山あると言われていますよね。ところが、マイナス金利で運用先がない。それで「仕方がなく銀行に預金として積んでおく」という状況になる。個人も似たような状況で、銀行にどんどんお金が集まっている。しかし、マイナス金利なので、銀行も、そんなに預金を持ってこられても、貸し出しに回そうと思っても……
高嶋)ありがた迷惑ということですね。
須田)その通りです。さらに驚くことに、企業が持ってきた預金を、「全部は預かれない」と言って断るケースが増えているそうです。個人に対してはまだ断っていませんけどね。そうした意味で言うと、このマイナス金利の影響というのは、各方面に及んできているなと考えられます。
預金するのに手数料を求められる時代が来る
高嶋)昔の話ですが、「銀行はそのうち、“お金を預かってくれる”ことに関して、手数料を取ることになる」と言っていた人がいました。
須田)その通りですよ。近々そういう状況になっていくのでは、という状況です。どうしても預けたいのなら、金利は微々たるものだけど、その一方で「手数料取りますよ」と。
高嶋)安全ですからね。銀行に預かって貰った方が。
須田)ええ。「火事や泥棒のリスクがある家のタンスに入れておくよりも安全。だから手数料を払ってね」という時代が、もうすぐやってくるということです。
高嶋)その話は本当になっていくと?
須田)この数字を見たら、明らかじゃないかな、と。
高嶋)なるほどね。ということは、銀行預金で利ざや、というか利息を稼ぐとか……僕らにとっては、定期とか、いろいろ常識だった。そんなことも、もう無い。ということですか?
須田)そうですね。そろそろボーナスシーズンですよね。だから、それをどうするのか、これから真剣に考えた方がいいと思います。
高嶋)そうですね。世の中は変われば変わるものです。今日のテーマは、「銀行口座開設、お断りのケースが増えている」でした。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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