範囲を広げる中国のGPS「北斗」~アメリカも恐れる宇宙開発の脅威

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1/9 (火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

2020年までに全世界をカバーする見通し
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター富坂聰(拓殖大学教授・ジャーナリスト)

天宮1号 中国 衛星

天宮1号(左)と神舟(右)(天宮1号 – Wikipediaより)

中国の宇宙ステーションが地球に落下の見込み

今や宇宙開発では米露に並ぶ勢いの中国、近年では自前のGPS衛星「北斗」も打ち上げ、稼働している。宇宙開発では長年、アメリカが王者とされてきたが技術の優位は薄れつつある。

高嶋)中国初の宇宙ステーション「天宮1号」が、3月末までに地球上に落下する見込みだと判明しました。「どこに落ちるのか」、「どんな影響があるのか」が、今年世界で大きな話題になっていますが、その割に中国当局は問題視していない。それは何故ですか?

富坂)確率的に、「人に当たる確率が非常に低い」と見ているのだと思います。どうやって計算しているのかは分かりませんが、1兆分の1とか、そういうのが出ていますから。

高嶋)「天宮1号の残骸が人間に当たる確率は、推定で1兆分の1以下だ」と、中国当局は楽観視しているようですね。

富坂)しかし、制御不能になっているわけですから、大きなことはいえないと思いますけどね。ただ、北朝鮮のミサイルとかを見ていても、「再突入させる」のが非常に難しい技術なので……まあ、燃えますね。

高嶋)大変な高熱を発して、そこでダメになってしまう。

富坂)ある意味、「ちょっと見物だな」という部分があって、かなり注目されているニュースですよね。

中国自前のGPSが2020年までに全世界をカバー

高嶋)中国の宇宙ステーションというのは、どういう状況になっているのですか?

富坂)うまくいっていますね。天宮1号は、ある種の実験機で、きちんと軌道に乗せて落とせば良かったのですが、「2号機がうまくいかないかもしれない」ということで、「残しておこう」と、ちょっとした欲を出して、こうなってしまったようです。しかし、その後は非常に着々と進んでいまして。昨年の話題で言うと、自前のGPSですね。「北斗」と言います。昨年2つ打ち上げて、もう稼働しています。私が「非常に戦略的だな」思うのは、このGPSは2020年までに全世界をカバーするのですが、実は最初にカバーするエリアを決めてやっているのですよ。それが全部、一帯一路の関係国なのです。

高嶋)なるほどね。

技術的に圧倒的優位ではなくなってきた米の宇宙開発

富坂)まずは沿線国からカバーしていき、あまり関係ないところに広げていって、全地球をカバーしていく方向なのです。
それで、これはある意味アメリカが独占してきたエリアに入ってくるわけですから、ちょっとぶつかる部分も出てくるのかな、と私は心配しています。
たとえば、宇宙というのは平和利用の顔をしながら、軍事的な部分もけっこうありますからね。そういう意味で、去年の末くらいに出てきて気になったのは、「GPSを使わない戦争」を想定して、米軍が訓練していたのです。実は、いわゆる「王者」だったアメリカにいろいろな国の技術が追いついてきて、必ずしもそこで優位ではない。現在の戦争は、7つくらいの方向からのデータのバックアップがあって、初めてできるようになっていますから。そういうのが、「GPSを使わなくてもやれる、ものすごく昔の戦争も、訓練していかなければいけない」という発想が出てきたのが、面白いな、と思いました。

高嶋)よほど深い意味があるのでしょうね。いまの世の中は全部GPSですからね。それを使わない戦争……

富坂)まさにそこの部分で、圧倒的な技術の優位はちょっと薄れつつある、という認識が、アメリカでも出ている。

高嶋)そういうのは、戦争だったら宇宙を飛んでいるGPSの衛星とかは、いちばん最初に打ち落とされるのでしょうか?

富坂)まずそれなのですよ。実は2007年に、中国は自分の衛星を打ち落としているのです。そこまでやる国は少なかったので、当時はみんな驚きました。それで、そこからかなりアメリカは中国のことを警戒し始めた。つまり、「やる気になったらできるんだぞ」と考えた。まあ、本人たちは衛星が古くなったから破壊したのですが……デモンストレーションになってしまったようです。

高嶋)そういう意味にもとれた、ということですね。GPS「北斗」構築で、2020年前後に全世界での運用を目指している。ちょうど、東京オリンピックの頃ですね。そういうのが、当たり前になっていく、ということですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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