なぜカヌー鈴木選手は禁止薬物を混入させたのか?
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1/10(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
パドルの破損・紛失や現金盗難への一部関与も認める
7:18~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
カヌースプリントの選手が他の選手の飲み物に禁止薬物を混入 除名処分
カヌースプリントの鈴木康大選手がライバル選手の飲み物に禁止薬物を混入させていた問題で、日本カヌー連盟は3月にも理事会で鈴木選手を最も重い処分の除名とする方向。2010年頃から国内大会などでパドルの紛失や現金の盗難が度々発生しており、鈴木選手は一部への関与を認めている。
去年9月に石川県の小松市で行われたカヌーのスプリント日本選手権で、鈴木康大選手(32)が小松正治選手(25)の飲み物に筋肉増強剤「メタンジエノン」を混入させ、小松選手がドーピング検査で陽性になったというものです。鈴木選手はオリンピックの出場経験が無く「オリンピックにぜひ出たい」と焦りがあったということです。
鈴木選手は去年8月中旬の海外遠征中にインターネットでこの禁止物質を含むサプリメントの錠剤を購入し、9月の日本選手権でカヌーの保管場所付近に置いてあった小松選手のドリンクボトルに小松選手が離れた隙に砕いておいた錠剤を投入したということです。小松選手とは元々親しくて、どれが小松選手のボトルかは見分けることができたということです。
陽性反応が出た小松選手が真っ先に報告したのも鈴木選手だったということですが、鈴木選手は良心の呵責から11月に連盟の専務理事に電話で自ら犯行を名乗り出て「本当に陽性反応が出るとは思っていなかった」と話しているということです。
2010年頃から国内大会、それから海外遠征中にパドルの破損や紛失、現金の盗難などが度々発生していて、鈴木選手は一部への関与を認めているということで、石川県警は被害届を小松選手から受理して捜査にも乗り出しています。
今回の事件は“スポーツとプレッシャー”が原因というだけでは済まされない重大な事件
高嶋)何だか地元が近いらしいのですよね。どうしても出たかったという。この小松選手の心境が著しくて、歳も7つ年下なのですよね。若い力に妬みを持って、それでこういうことをしてしまった。だけど禁止薬物というのはネットで気軽に買えるのですね?
鈴木)インターネットで気軽に購入できますよね。成分としてはいろんなドリンクに普通に入っているようなものとも言えるのでしょうけどね。
高嶋)これは一番の問題はどこにあると思いますか?
鈴木)これは何が問題かというと、スポーツとプレッシャーというのは常に精神的なものが隣り合わせで、過去に勝てないとか国を背負うとかいろんなスポーツとプレッシャーという関係で自殺するとかいうことがありました。今回もそういうプレッシャーなのかと思ったらけっこう前からずっとやっていて、もうそういうレベルの話ではなくて個人的にスポーツマンとしてどうなのだという感じですよね。
高嶋)それはもう根本的にそうなのですけど、日本人選手がこういうことをやったということが非常にショックですね。
鈴木)そうですよね。ガッカリするニュースですよね。これを以ってこういうことがこれからも起こり得るのだからではなく、これはもう本当に終わってしまうくらいにして「こんなことは無いんだよ」と信じたいという感じのガッカリ感がありますよね。
高嶋)スポーツ庁の鈴木大地長官も「こんなのは初めて聞いた」というので絶句状況という感じですよね。日本でこれが起きたというのは私もすごくショックだと思っています。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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