中国と日本での「女性の社会進出」~なぜ違う?
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1/16 (火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
中国では女性によるパワハラ・セクハラが問題に
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
社会主義の中国では、昔から男が家事や子育てすることは当たり前
安倍総理がここのところさかんに「女性の社会進出」と声に出していて、国も力を入れている。欧米に比べ、女性の社会進出の遅れているアジアであるが、その中でも中国は女性役員を登用している企業は51%と日本などより進んでいるようだが、その実情を探る。
高嶋) 日本では女性の社会進出について、議員や社長の数が足りないと、いろいろ言っていますが、中国から見ると、安倍総理が言う「すべての女性が輝く社会づくり」とか「女性の社会進出」は奇異に映るそうですね。
富坂)そうですね。「女性はそんなに守ってあげずとも、出てきている」という感じがしますね。そういう意味では今回中国の人が反応したのは、日本の最高裁の判事が、「旧姓でやる」ということで、それがニュースになった件です。「別姓って、当たり前でしょう? 日本ではニュースになるの?」と驚かれた。
高嶋)そのようですね。
富坂)実は中国は分離している部分があります。たとえば、都会暮らしの人は私が80年代初頭くらいに留学した頃から、「男が家事やるのは当然。子育てするのも当たり前。たとえ仕事を持っていても」……だから、イクメンとかは当たり前だった。
中国は社会主義で、男女全員が労働者なので、両方仕事しているのが当たり前なのです。それで、両方が同じように職場から帰ってきて、旦那さんが食事を作ってあげるのは、けっこう当たり前でのことなのです。当時の私からは「尽くすなぁ」と見えていましたが。中国では51%の企業の女性役員の登用率~中国51%、日本6%
高嶋)社会の体制がそうなっている。日本だと配偶者の女性は“奥”の方に籠もってしまうから、“奥様”でした。
それが、最近はどんどん出てきて、「“外”様」になってきた。それで、「呼び方がおかしいのでは?」とか、「女性の社会参画」とか、いまだにそういうのがお題目になるということは、それだけ遅れているということなのですね。富坂)ただ、中国は一方で農村に行くと、まだ女性差別があります。労働者として最底辺の位置にいたり、そういうことで問題があったりして、非常に温度差はあるのですが、ただ、我々が目に付く部分では、企業とかでも、すごく女性進出していますね。
これは数字があるのですが、女性役員を登用している企業の割合は、イギリスが59%、ドイツが70%、アメリカが79%。フランスが少し高く、83%で、ノルウェーは100%という数字が出ています。高嶋)女性を取締役にしている、経営陣に入れている企業。たとえば取締役が5人いたら、1、2人が女性ということですね。
富坂)そうです。「1人でもいる企業は、全体の企業の中で何%か?」ということです。それで、ノルウェーが100%……ちなみに、日本は6%です。アジアの企業は押し並べて低いのですが、その中で中国は51%でした。少し低いですが、それほど、という感じではないですよね。
中国では女性“の”セクハラ・パワハラが問題に
富坂)中国のいまの問題は、能力が高すぎるのか、アニマルスピリットが高すぎるのか、女性のパワハラやセクハラがニュースになるのですよ。
高嶋)女性が、若い男に?
富坂)そうです。あとは、「賄賂を持ってこい!」と要求したりとか、そういうのが5年くらい前から、けっこうニュースになっています。スゴく有能で、本当にガツガツしている。
高嶋)世の中は変わってきているのですね。言われてみると、政治でも、たとえば日本では菅官房長官ですが、中国では女性の方が出てきたり、アメリカもよく報道官とかで出てきますよね。
富坂)女性が前面に出てくると、確かに目立ちますよね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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