大雪で首都高 山手トンネル立ち往生~体験した鈴木哲夫による“恐怖と怒り”

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1/24(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

情報もなく、首都高の危機管理の甘さが露呈
6:30~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

積雪 東京 銀座

積雪した東京・銀座=2018年1月22日午後、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

大雪で首都高速山手トンネルで10時間動かず

22日の午前から降り続けた大雪によって東京都内の交通機関は大打撃を受け、首都高の山手トンネルではトレーラーが立ち往生し、後続車が動けず、約10時間にわたって多くの車がトンネル内に閉じ込められた。ジャーナリストの鈴木哲夫もタクシー内で足止めとなり、その体験から首都高の危機管理の甘さを指摘する。

高嶋)いつも政治向けの話が多い鈴木さんですが、実は今回の大雪で最大の被害者になってしまって、怒り心頭なのですよね。

鈴木)本当にズバリ言わせて欲しいのですが、首都高の山手トンネルという全長18キロメートルくらいあるトンネルがあるのですが、そこで10時間くらい車が閉じ込められてしまいました。出口のところが坂道で、そこでトレーラーが進めなくなってしまい、道を塞いでいた。トンネルに入って来た人たちは通れずに車がズラーっと並んで、その中の1台に僕もいたのですよ。

高嶋)いつですか?

鈴木)一昨日雪が降った日の午後7時半くらいに、湾岸のある場所から入ったのですけど、入るときに「首都高どうですか?」とタクシーの運転手さんに尋ねたら「全然大丈夫ですよ」と言うのですよ。それで「ではトンネル抜けてこういう道で行きましょう」なんて言ってトンネルに入ったらもうあっという間に大渋滞ですよ。
問題なのは、こういうことはあることなのですが、起きた後の対応なのですよね。何が起きているのか、トンネルに閉じ込められた人たちは皆全く分からないのですよ。

中央環状線 山手トンネル 五反田 出口付近 合同防災訓練

開通する予定の中央環状線山手トンネル五反田出口付近で合同防災訓練が行われた。マットジャッキが使用され倒れている車体を迅速に起こす訓練も見られた 2015年2月17日 写真提供:産経新聞社

3時間経っても情報無しの異常事態 トイレ等の問題も

高嶋)昨日の朝の放送の段階でも「山手トンネルが大変なことになっているらしい」というのは入って来ていたのですが、具体的なことがさっぱり分からない。だから報道がすごく遅かったでしょう。

鈴木)遅かったです。普通の自然渋滞ではよくあるじゃないですか、たまたま合流しているところが込んでいるとか。それだったら普通ノロノロ動くのに一切動かないわけです。
それで「これはおかしい」と皆気が付き始めて、閉じ込められている人たちが各々に自分の携帯やスマートフォンで連絡を取りながら、もちろん私も首都高にも警察にも電話したのですけれど、「こういうことが起きています。こういう理由で今止まっています。だから今こういう作業をしているのでこうなります」という予測も含めて、答えが明確じゃないのですよ。閉じ込められて10分~20分なら良いけど、もう1時間~3時間になると皆精神的に不安になるわけです。そうすると何が起きていてどうなりそうなのかという見通しの告知が無ければいけないのですよね。理由も一切分からない。「どうも先頭が止まっているからしょうがない」とかそういう受け答えだったのですよ。それで皆段々怒り出した。
それから問題だったのはやはりトイレの問題。これはすごく大きいですよね。
私は3時間くらいタクシーの中で待っていて、午後11時くらいになってからその後の仕事のこともあったので、他の人も何人か動き出していましたが、非常口からずっと長い100段くらいある階段を上がって行ったのです。

高嶋)首都高の山手トンネルに何メートルか置きに非常口がありますよね。そこを出るとそんなに凄まじい階段があるのですか?

鈴木)すごいのですよ。あの道路はかなり深く掘っているから、僕なんかは足腰が悪いから途中で歩けなくなってしまいましたが、1段ずつ上がって、上がったら「ここはどこだ?」という感じになりました。山手通りの雪だらけの広いところに出て、そこからタクシーを止めてという感じで真夜中になってしまいました。
気の毒だったのは、乗っていたのでタクシーの運転手さんです。携帯の番号をやり取りしていたので翌朝電話をしたら「朝4時になってようやく出られました」と言うのですよ。約10時間ですよね。

高嶋)首都高も情報無し、挨拶無しですか。

首都高 玉突き 車両事故

首都高の宝町出入り口付近で起きた車両事故 2015年7月10日 写真提供:産経新聞社

「危機管理」とは何かを考えさせられた首都高の問題

鈴木)「危機管理」って何なのかとすごく考えました。実際出られなければ出られないで仕方ないことなのですが、情報ですよ。なぜそうなっているのかというのが全く無かった。

高嶋)今日もけっこう止めているのですよね。

鈴木)「シミュレーションしているのかな」と思うのですよね。「どうぞどうぞ」と入れるのではなくて、雪が降り始めた瞬間に閉めるとかその対策をしておかないといけません。

高嶋)あれだけ「東京も大雪になりますよ」という予報が出ていたのですから、それに対して首都高側は直ちにどう対応するのかというのをやらなければいけないですよね。

鈴木)早めに閉鎖するとかね。よく「ドライバーが雪を甘く見ている」なんて言われるけど、僕は行政とか首都高の体制も甘いと思います。危機管理をもう1回見直した方が良いと思いました。

高嶋)怒り心頭の巻ですね、本当にお疲れ様でした。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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