自民党・額賀派クーデターに見られる「派閥の存在価値」の変化
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1/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
参議院メンバー21人が会合ボイコット
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
自民・額賀派~会長交代要求し全参議院が定例会合ボイコット
自民党第3派閥の額賀派に所属する参議院議員が、会長の額賀元財務大臣に退任を求めていることが判明した。額賀氏が要求を拒否した場合、参議院側のメンバー21人は、派閥の退会も検討しており、分裂含みの様相となっている。
かつて自民党最大派閥を誇った名門「額賀派(平成研究会)」が分裂騒動の様相となっています。現在は自民党第3派閥として、55人の国会議員を抱えています。昨日昼に国会近くで開かれた派閥の定例会合には、普段出席している参議院議員が1人も出席しませんでした。
額賀派の参議院側を率いている吉田博美参議院幹事長が、今月初めに、額賀さんに「会長退任」の要求を突きつけており、「集団退会も辞さない」という参議院側の強い意志を示すために、昨日の会合をボイコットしたようです。参議院側としては、2009年に会長に就いた額賀さんのリーダーシップ不足を懸念しています。かつては「派閥のプリンス」と呼ばれた額賀さんですが、総裁選挙に出馬したことは1度もなく、他の派閥の領袖に比べると、発信力に欠けるというわけです。
参議院側の体制は、竹下亘総務会長を後任し、竹下派を復活させ、小渕優子元経済産業大臣を、次の総理候補にする、という構想を描いています。その背後には、「参議院のドン」としてかつて君臨していた青木幹雄元参議院議員会長の影もチラついています。
一方、衆議院の方では、茂木経済担当大臣や、加藤勝信厚生労働大臣の名前も挙がっているのですが、2人とも、次の、今年の総裁選挙に出馬する気配はまったくありません。額賀さんは昨日の記者会見で「会長を交代する考えはまったくない」と述べており、参議院側のメンバー21人は、「2月1日までに額賀さんが退任する意向を表明しなければ、額賀派を退会して吉田参議院幹事長を中心とする新グループを立ち上げる」という方針を示しています。
クーデターの中心は吉田博美参議院幹事長~分裂含みの退任要求
高嶋)吉田参議院幹事長は、どんな方なのですか?
森田解説委員)山口出身で参議院3期目ですが、青木さんとのパイプが非常に強い方です。
高嶋)「青木幹雄さん」と聞くと、幽霊が出てきたような気分です。かつての参議院のドンで、昔は竹下登さんの秘書をやっていた。
宮家)ようするに、小渕さんや竹下さんがオーナーになって、この1つのグループを再構築しようとしているのかなと思いましたが、少し違う気もします。やはり時代は変わったのでしょうか。
高嶋)古めかしいことがいろいろ出ているな、と思うのは、大抵「派閥」と言うと、かつては「三角大福中」とか、いろいろありましたが、必ず総理候補がいて。それを担いで、「総理になった暁には、皆でイイ目を見よう」と暗黙の了解がありました。
その視点から考えると、この1件は実に分かりやすい。ようするに額賀福志郎さんは、穏やかで勉強熱心で、非常に人望も厚い。だけど、「総理候補」では無い。もう74歳で、引退も近い。宮家)昔、「三角大福中」の派閥が沢山あった頃は、自民党は中選挙区制の下では、実は各派閥がミニ政党だった。ミニ政党がトップを総理にしようと思って、合従連衡をやり、1種の「ミニ保守政党の連立政権」だったのです。
ところが、これが小選挙区制に変わり、総裁の力が圧倒的に強くなった。その意味では、古き良き派閥は、昔のような形では機能していないのです。来年の参議院選も視野に入れての行動か
高嶋)竹下亘さんも、竹下登元首相の弟ですから、この人を派閥のボスにして、総理候補は小渕優子さん……みんな昔の人の関係ばかりですね、本卦還りしようとしている。
宮家)でも、政治家ですから。当然リーダーシップを発揮して求心力を持たなければいけない。それが足りないと言われたら、代わるのは分かるけど、だからといって、「昔のオーナーに戻るんですか? 他にも候補、いるんじゃないですか?」と言いたい気持ちもある。
高嶋)これは単に額賀派のことだけでなく、他の派閥全体で考えると、やはりそういうことが言えるのですか?
森田)そうですね。岸田派も、やはり岸田さんが総裁選挙に出るのかどうか。派閥内では「岸田さんに出て欲しい」という声もあるのですが、本人はまだ消極的だったりします。
高嶋)岸田さんは、安倍さんの禅譲狙いみたいな。2人で食事したとか。みんなそれぞれの思惑がありますね。
宮家)昔は各派閥ごとに、選挙事務所があったのだからね。
高嶋)やはり昨日、額賀派の参議院21人が出なかったということは、来年の参議院選挙を強烈に意識しているのでしょうね。
森田)そうですね。党内での主導権やポストが欲しい、というのもあるでしょうね。
高嶋)安倍さんも、もう「ご苦労さん」でいいんじゃないかな、という気持もしないでもないですね。「辞める気はない」とおっしゃっているそうです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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