日銀の黒田総裁が続投の理由とは?

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日銀の黒田総裁が続投の理由とは?

2月12日(月)FM93AM1242 ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ②

07:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

黒田氏続投の方針 物価上昇率2%は実現するのか?

政府は次期日銀総裁に4月8日に任期満了を迎える黒田東彦総裁を続投させる方針だ。黒田東彦総裁は2013年3月に就任し、2%の物価上昇を目標にかかげ、大規模な金融緩和を実行したが、未だにその目標には到達していない。2期目の黒田氏の方向性の予想をコメンテーター須田慎一郎に訊く。

高嶋)4月の8日に任期満了になると言われていた日銀の黒田東彦総裁がどうやら続投するということで、この間あのアメリカのほうはイエレンさんという方が変わって、パウエルさんという人になって、日本も変わるのかというような、そんな観測もあったようですけれど、この意味するものというのは、ズバリ言うと何ですか?

須田)それはですね、引き受けていなかった。加えて、物価上昇率2%。思う存分、金融緩和をやったわけですから、その出口戦略に向かうときって相当な問題が起こってくるはずなんですね。で、結果的に2019年度中に出口に向かうはずだと、物価上昇率が達成できるはずだと黒田さんは言い始めた。で、そうすると、辞めたあとにその大変な状況がもしかするとやってこなければならないという状況で、まあ言ってみれば、自分のお尻は自分で拭けというようなことじゃないかなと思いますけどね。

高嶋)あの黒田さんは2013年3月に就任したと。それで2年で2%の物価上昇を目標にかかげ、それをやるのに異次元の金融緩和というのをかかげて、実際にそれを実行した。で、すぐにでもなにか、僕ら素人ではわかりませんけども、2%なんて、まあ言っちゃなんだけど、ほんの一跨ぎみたいな印象あるじゃないですか。で、これ何故できない?未だに。

須田)ひとつ大きな理由としてあげられるのは、個人消費が、冷え込んだままなんですよ。

高嶋)けっこう皆買ってますけどね。

須田)トータルで見ると少ないんでしょうね。物価上昇に繋がっていかないんだろうと思いますけどね。では何故それが、買わないのか、消費が拡大していかないのかって言うと、やっぱり賃金が、実質賃金が上がっていかない。だって所得が、収入が増えなければ、物を買いたくたって買えないじゃないですか。

高嶋)まあね。すると、安倍総理にとっても、ここまで手こずるということは計算外だし、で、これでもし黒田さんを変えるというようなことになると、ほら失敗したじゃないかみたいなことを言われかねないということですか?

須田)いや違いますね。通常だったら、1期5年で2%を達成すべきだったのに、だからそういった意味で言うと、変わってもいいんですよ。次の人が黒田路線を引き継いで、スムーズに出口に向かう。つまり金融縮小と言ったらいいんですかね、金融引き締めに向かうことができるんだったらいいんだけども、難しい。そんなの無理ですよ。ということで、で私の知り合いも断ったという人もいますから。

高嶋)ということは黒田さんは首を洗って待ってた。で、変える気はもちろんあった。安倍さんに実際に声をかけた。しかし、皆がこんな異常な状況で、日銀総裁の大役なんか引き受けられないって皆、断った。

須田)普通だったら、中央銀行の総裁ですから、通常のスケジュール観から言えば、昨年中に、つまり昨年の12月末までに人事を決めてなければいけなかったんですよ。それが2月までにずれ込んだわけですから、やっぱりそういった点で遅れたっていうのが、その理由の背景にあると思いますよ。

高嶋)黒田さんも本当のこと言うと辞めたかったんですかね?

須田)まあ辞めたかったと思いますよ。

高嶋)もしそれが辞めたかったんだったら、皆に断られて、自分ひとりが死刑台のエレベーターに乗ったっていうことですよね。で、これからどうなるんですか?そしたら。

須田)いや全くまだ見通しがついてないという状況で、ですから本当に物価上昇率2%まだまだこだわって目指していくのか、それとも、実体経済よくなったとして、スムーズに出口戦略に向かっていくのか、っていうところの今、岐路に立たされているんじゃないかなと思いますね。

高嶋)株価がちょっとおかしなことになってます。先週1週間で1900円近くも下げたし、NYダウなんかも乱高下で、値幅がもう1000ドルを超えたというような、そういう大きな乱高下してるわけなんですけど、これとこう、対比させて考えると、これからどういうことになっていくんですか?

須田)ですから、金融緩和というのはですね、国債をがぶ飲みしてじゃんじゃん買うのと一緒でですね、ETF買いと言って、株式も相当数買ってるんですよ。ですから、出口に向かうということは、もう株も買いませんよ。国債も買いませんよ。と。その結果何が起こるかというと、株価下落と債券価格の上昇、長期金利の上昇と、債券価格の下落と長期金利の上昇ということが起こるということがもう間違いないんですね。

高嶋)ということはアベノミクスも終焉ということですか?

須田)いや、ですから違った方法で、違ったやり方で、景気回復を目指していくということになると思いますね。

高嶋)そんな方法はあるんですか?

須田)いろいろとあると思いますよ。ですから、ある意味で、もう3年くらいやった時点で、まあ限界を迎えたということで、少しずつ少しずつ政策転換しているんですよ。

高嶋)そうなんですか。ということはそんなに心配する必要はないんですか?

須田)いや、金融マーケットに大きな影響を与えると思います。だからそれをどうソフトランディングしていくのかっていうのが、2期目の黒田さんの役割だと思いますね。

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